研究機関の対中連携見直せ

田村秀男

研究機関の対中連携見直せ

独立行政法人「情報通信研究機構(NICT)」と同「理化学研究所(理研)」が中国人民解放軍系の研究機関と連携している

自らの先端技術研究が軍事に応用されるリスクを意識しないまま中国と交流する国内の有力研究機関は大学など他にも多い

米国最大級の病院グループがサイバー攻撃を受け、約450万人分の患者の個人情報が盗まれたのだ。モンタナ州保健衛生局のサーバーから約100万人の個人情報が奪われた。攻撃を仕掛けたのは、中国のハッカー集団

特定の遺伝子だけを狙い撃ちにする生物化学兵器が開発されると、その遺伝子を持つ人種すべてが標的にされる危険性が高まる

理研は06年5月から今年5月までの8年間、中国科学院上海分院との間で「包括的協力協定」を結んでいた。対象項目には「化学生物学」「バイオリソース」 (研究用実験動物・植物、細胞、遺伝子、微生物などの情報)が含まれる。上海分院は人民解放軍と一体となっており、傘下にはレーザー兵器開発に取り組んで いる上海光学精密機械研究所(SIOM)がある。理研はSIOMと昨年9月に研究協力覚書に調印した

中国科学院は10年以上前から遺伝子攻撃兵器の開発に取り組んでいる

NICTは13年1月、中国科学院・上海微系統研究所(SIMIT)と協力覚書に調印した。重点協力分野は、「超電導」「バイオ・エレクトロニクス」「テ ラヘルツ(光波と電波の中間域にある電磁波)」の3つ。テラヘルツは超高速大容量通信手段となる。NICTは民生用をめざすが、人民解放軍系と目される SIMITの思惑がそうだとはとてもいえまい。

理研やNICTの研究連携先の総元締めである「中国科学院」は純然とした科学研究を装い、中国全土で114件もの研究所群を統括する。傘下の研究所は党指 令に応じて共同体制を組む。SIMITもSIOMもサイバー戦争や大量破壊兵器開発のような軍事プロジェクトで結集するし、他の研究所も党や軍の要請に応 じて軍事技術研究に関わる可能性がある

東大医科学研究所は中国科学院微生物研究所と分子生物学や分子免疫学で協力しているし、独立行政法人「物質・材料研究機構」は中国科学院大連化学物理研究所と燃料電池の共同研究に取り組んでいる。これらは民生用に見えるが、中国側は随時、日本の技術研究成果を軍事用に生かそうとしている点を見落とすべきではない。

中国は対米や対日サイバー攻撃の激化にみられるように、習近平体制のもとで、トウ小平氏が敷いた「韜光養晦(とうこうようかい)(自分の能力を 隠す一方で力を蓄える)」というソフト戦術を全面放棄し、力をむき出しにして取るべきものを最大限取っていく路線に転じた。脇の甘い日本の研究機関は絶好 の標的に違いない。

 
 日本政府と関係機関は、古色蒼然(こしょくそうぜん)とした「日中友好」路線と決別し、虎の子の最先端技術が流出して日本国と国民をかみ砕く牙にならないようにすべきなのだ。
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