トモエデンキの屁の突っ張り

関西では役に立たないことを「屁の突っ張りにもならない」と言いわれますが、そんな倉敷の電器店ブログです。

「シングルレバー混合水栓」の巻

2019年12月27日 | 店主
朝早くからお得意様より


お客様「ボイラーから水が噴き出していて止まらないんで、どうしたらいいですか?」


あわてた様子で電話が入りました。


私「とりあえず、ボイラーにつながった配管に止水栓と言って手で回せるコックがありますから、それを回せば水は止まるはずです」

しばらくして


お客様「言われたようにしたんですが、やっぱり止まりません」


私「それじゃ、直ぐに行きます」


で、訪問しますと





通常でしたら、ボイラーが作動中にチョロチョロとお湯が少し出る程度の逃がし弁から“ドバーッ”と水が溢れ出ているではありませんか(゚o゚;

止水栓を確認




開け閉めしても水は止まらない?


なぜ?、なぜ?、なぜ?


ボイラーには、水道圧からタンクの破損を防ぐために減圧弁と言う物が給水側に取り付けてあり、タンクに入る水道圧を下げてますが(直圧タイプにはありません)、これが壊れてタンクへ水道圧が直接かかった場合にタンクの破損を防ぐ安全弁(逃がし弁)なる物が働きタンク内部の水圧を安全に保ちます。






それが今回、水が噴き出している所ですが、給水側の止水栓を閉じれば水は遮断されますので逃がし弁からの水も出なくなるはず


なんですが???


もしかして(パート2)(笑)


逆流


本来なら、ボイラーからお湯が出ていきますが、そちらから水が入ってきている可能性があります





お湯が出て行く側には減圧弁は必要ないのでありませんから、そちらから水が逆流してタンクへ入りますと、タンクに水道圧が直接かかってしまいます。


そうなると安全弁である逃がし弁が働くわけ


原因は直ぐに判明





浴室の混合水栓です。


通常は湯水の各止水栓を閉じますが、お客様は止水栓を閉じずシャワーの止水栓だけ閉じていました。

いつもならこれでも問題ないのですが、今回は混合水栓の中にある逆止弁が壊れたようです。

逆止弁とは





この部分に内蔵されていて









通常はこのように水と熱い湯を混ぜ、蛇口やシャワーから適温でお湯を出しますが、シャワーの切り替えだけで水を止めると水道圧が湯側より高いため









お湯の方向へ水が流れてしまいます。

これを防ぐために逆止弁が働き、水がお湯の配管に逆流しないようになってます。





逆止弁が壊れますと、お湯側へ流れた水がタンクに入り




タンクの圧が上がり、逃がし弁から水が出たと言うことです。




そんなわけで、混合水栓を取り替えることになりました。

ついでに、キッチンの混合水栓も新しく取り替えて欲しいと言うことで





一昔の水栓は、レバーを下げると水がでますが、ある震災をきっかけにレバーを上げて水を出す方式へと切り替わりました。


新しい混合水栓は





もちろん、レバーを上げて水をだしますので、最初は戸惑うでしょうね


浴室は




サーモ水栓になり、温度調節も簡単で蛇口とシャワー、止水の切り替えもレバー一つになり便利


忙しい時期ですが、その日の内に対応でき一安心


小物の配達や修理であちこちまわりながら、本日も時間切れ


きょうはここまで


つづく