MILK & HONEY

北海道の新規就農者です。サラリーマンを退職して主人の実家に帰り二人で農家を頑張っています。

映画「アンダンテ」 ー稲の旋律ー

2011年07月11日 | 娯楽
「ひきこもりの人に働く場を」と題して、去る5月8日に投稿しましたが、正に、同じ悩みを抱える若者が主人公の
映画を見る機会がありましたので、ご紹介します。

主人公「薮崎千華」は、母親の強い希望で幼い頃から音楽の道を歩むが、音楽社会の競争は厳しく、次第に自信を失くして
ゆく。やがて自分自身をも見失い登校拒否となり、大学中退を余儀なくされる。大学中退後、アルバイト生活に入るが、
職場での人間関係がうまく作れず、仕事を転々とする生活を繰り返し続ける。そしてとうとう、一日中家に閉じこもるように
なり、日毎、両親とのいざこざも絶えなくなってしまう。そんな自分を思いつめた千華は、千葉県の水田へ、「誰か
私を助けて下さい。」と書いた紙切れをペットボトルに詰め、「心のSOS]として置いてくる。
暫くして、この水田の持ち主でありペットボトルを拾った広瀬晋平から手紙が届く。その手紙の内容は、真剣に
千華のSOSに応えようとしていた。千華は、自分はどのような人間か、どうして他人と会うのが怖いのか、
長い長い手紙を晋平に送った。こうして始まった千華と晋平の交流は、千華のひきこもり生活を徐々に変化させて
いく。。
美しい稲の海が印象的な千葉県横芝光町の水田での農作業を通じて千華の心が開かれていく様子や、
「曲がって植えようが転んで植えようが、稲はまっすぐ上を向いて伸びるんだよ」と言われ、悩んだり、苦しんでいるのは、
自分だけじゃないと悟り、時には立ち止まったり後退もしながらゆっくり、ゆっくり歩き始める千華から、
ひきこもりから抜け出すことの大変さを理解させてくれます。
正に、食と農と大地、そして、人間再生の物語と言えましょう。
「アンダンテ」とは、音楽用語で「歩く速度で、ゆっくりと」を意味し、原作者である旭爪あかねさんは、自らの
ひきこもり生活の体験を主人公に反映させています。彼女自身、作家として自立できるまでに、約10年間ひきこもって
いましたと上映前のシネマトークで語っておられました。。
「稲の旋律」は、旭爪あかねさんが書いた小説のタイトルですが、歌手でもあり、主人公役をつとめた新妻聖子さんが
歌う曲「アンダンテ」もすばらしいものでした!!




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