が、死亡ネタなのでちょっと注意してください。
っていうか、自分が死んだ後にオタなのがばれたら悲しいなあとかってよく思いませんでした…?みたいなお話です。
兄が死んだ。
交通事故で、どう考えても相手の方が悪い。無免許でケータイしながらの運転だったそうだから。
さらに、ひいちゃってパニックになったのか車で数メートルひきずられたらしい。
身内がそんな死に方、ってある?
最後の会話が、思い出したら、ちゃんとした妹がいるのに妹が十二人いるゲームをするのはいくらなんでもアレじゃないでしょうか?だった。
泣ける。
最後の会話、もっとマシな会話はなかったのだろうか。
兄はオタクで、しかも明るくなかった。しかしだからといって。
近所の反応はだいたい予想通りだ。
兄は悲劇のヒーローになれなかった。
世間は厳しい。だいたい、宝くじより交通事故で死ぬ確率の方が高いって言う。
人間の作り出した便利なもので、人間が死ぬことがある。
よくできてる、って思った。
結局人間って人間が嫌いなのだ。
自分の便利のために、他のものを犠牲にしてもいいと思っている。
便利のために、自分たちの首を絞めてても笑ってられる。
兄がフィクションの世界が好きだったのは、現実より作られた世界の方が綺麗だったからかもしれないし、単に嫌なことからの逃避だったかもしれないし、現実にはない刺激をもとめてたからかもしれないし、単に自分の世界が狭かったから、だったかもしれない。
私から言わせれば、フィクションも緩やかな毒だ。
自分の他の世界は、感覚を麻痺させる。
例えば読書はだいたいのことを説明してくれる。ゲームは次のクエストのヒントがある。アニメなんて、声と動きまでついてる。
ようするにあんまり考えなくてもいいのだ。
だから、癒しにもなりえるともいえる。
それと、フィクションには理想がある。
現実で理想を語ると、げんなりされるだけだけどフィクションの理想は美しい。
妹のゲームだって、私とは違ってかわいい娘でお兄ちゃん大好きなこばっかりだ。
ああ、毒だなあ。
甘い毒にひたってられる人たちには、それは偏見の目もあるだろう。
それは、うらやましいから。
嘘の世界にはすべてのことがつまっている。
だからお兄ちゃんには「現実の」毒なんておそいかからないって思ってた。
虚構にひたってる、幸せな人には。
―――だからオタクは業が深い。
嘘にも逃げれない私は、これからどうしよう?
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