なんかこっちのがスペシャル版みたいになってますが…。連想ゲーム的に言いたいことを引っ張りだしてくるスタイルが定着してたのですが、たまには連想関係なくても言いたいこと言うのです、な感じで。
では続きでどうぞ。
仮想悪夢研究会 恨み
「ってことで、マンスリーアーティスト関係ない元々のバージョンっぽいやつな。今日の歌は梶芽衣子恨み節」
と、Rが無理に作った重々しい声で言った。
「恨みに対する話は実は前からやりたかったんだよな。現代人、あまりに恨みを軽視しすぎではないかと」
「というか、負の感情を全部否定しすぎなのよね。」と、Fが賛同する。
「妬み嫉み僻み、その他諸々、な。アランジアロンゾの悪い仲間を見習えと」
Tの言葉にFは目を丸くした。
「あら、そこでアランジさん出てくるの?」
「わるものうそつきいじわるだな。何と言っても。なかなかできた発想じゃない」
と、Aも言った。
「まあ特に恨みや妬みなんかは逆に起動力になるくらいだからな。全部が全部悪いわけではないだろうと」
「本当に悲しい思いも痛い思いもしたことない人に共感力ないでしょうしね。やっぱり体が健康的すぎる人は弱い人に対する配慮ってまるっきりないようですし」
「ぎく」と、Tがいう。
「俺、共感力ないんかな…」
「さてどうでしょう」にこにこ、とF。
「やっぱりミステリ的にも復讐譚ってやつは一大ジャンルだよな」
「最近ちょっと見なくないか?昔のミステリとかは基本的には復讐ものだったが、最近のはもうちょっとどうでもいい理由で殺してる気もするぞ」
「うーん、復讐、需要なくなってる?」
「それこそ、感じる恨みが分散してるんじゃない?」と、Fが続ける。
「最近の恨みは一人を延々憎んでるというよりは、社会全体、とかもうちょっとなんていうか、言いようのない憎しみみたいな感じじゃないかしら」
と、いうことは、とRが腕を組む。
「明確なこれといった恨みじゃないわけだ。こう、真綿的な」
「チクチクって多方向から来てるみたいな」
あんまり例えがよくわからないが、とAが咳払いした。
「個人主義が進んでるように見えて、力のある個人が少なくなったっていうことかもしれんな」
「っていうか最近の女子高生って本当に個体識別できませんしね」
結構言われていることである。
「みんなと一緒って言って育っちゃうからそうなるんじゃないのかしら。今の幼稚園とかちっちゃい子の世界って本当にみんな一緒でないと色々あるみたいだから」
「おーてーてーつーないでーじゃないけどなあそういうの、あるよなあ」
「世界に一つだけの花、とか言いつつみんな同じ花、みたいなな」
「ちょっと噂のスノーフレーク世代?雪の結晶のようにものすごく打たれ弱いとか」
うーん、と考え込む一行。
「みんなと一緒」だと「打たれ弱い」のか?」と、A。
「っていうか、団結力って言うのかしら…。」
「近所のうるさいおっちゃんとか排除するからだよな…」と、R。
「子供の成長にはうるさいおっちゃんはいる存在だって言うわよね、よその子供が叱れない世の中はやっぱり色々とよろしくないと言うことでは」
叱るはしかるで必要なことだと言うことである。
「と言うか、最近は子供には根拠のない自信をいっぱいつけろって言うけども、昔の子供はもうちょっと自分のことを疑いながら自分を作って来たって言う感じなんじゃない?自分とは何か、とか哲学的な要素とかもそう言うことから出てくるのでは」
「まあ今のたくさん愛してあげましょうはそれに対する反発なんだろうけどなあ」
Tが帽子を取って頭をかいた。
「犬はライオンになりたくない、をして来た結果が全く逆行ったわけね。あの曲が出て来た時、すでに日本はそうなっていたと」
「反発に対する反発、じゃないけどそう言う流れがあったわけだ。自分とその周りはぬくぬくを確保しようと」
「今は創作物もエンターテイメント的なものとかで社会にどう、とかって話は無くなって来てるって上の世代が嘆いているし。自分とその周りの世界しかない人間が多くなって来てるのは確かでしょうとも」
「由々しき問題すぎる…」
現代社会にはちょっと俺らだけじゃどうしようもない問題であふれているよな、と、R。
「社会をどうしようって気もないのがどうしようもない」と、Aがつぶやき「ちょっと喋り続けたら喉乾いたな」とこほん、と言った。
「水分水分。」と横からTがお茶を渡す。
「除菌除菌で菌に弱くなったって言うのも、社会と似たようなパターンかもな。とりあえず、インフルエンザには気をつけろよ、みんな。」
「今本当に流行ってるみたいですからね、迂闊に手を口や鼻に持っていかないように」
インフルエンザはとりあえず空気感染はしないようなのであった。
「まああったかくして、早く春にならないかなあ…」とぼんやりとFが呟いた。
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