にざかな酒店

緑の輝き第三話

第三話です。ういー。
何かとこのシリーズはこっぱずかしい展開が多いですね…。
そして、何気なくオチを回想してると、あれ、これ某チェコアニメのオチににてるような?とうっかり気づいてしまったのでした。
まあ、なんだその…キャッツアイとジョーカーもオチ似てたしね…みたいな。
ってどうしようってなってるけど言うほどにてない。はず。
というかオチはまだよ!(爆)


「俺にはリンて妹がいるんだよ。トルマって名前だろ、トルマ、リン。で、あわせるとトルマリン。」
その、リンて妹が実はあたしなんだって話はさっきも聞いたわい。
もうこの妄想男どうにかして。
っつか、ついてくるんじゃなかった…。
「だから言ってるでしょ。姉はシトって名前であわせてシトリンだってば」
「その姉はほんとの姉かい?」
まじっとするトルマ。
「ほんとの姉よ!失礼ね。だいたいリンなんてありふれた名前よ」
「自分の名前、ありふれたなんて言うなよ。良い名前だろ。」
「まあ、確かに響きはいいけど。」
「良い名前ってのはありふれてるもんだよ。皆が好きな名前なんだからトルマだっていい名前だろ」
その名前はありふれてるのかわからないけど、なんか流れが戻りそうな…。
「まあ、生き別れたの幼い時だから、ヒントは名前だけだ。リンて名前きいたらこの話降ってるけど。ほんとにいたのかなあ…」
遠い目をするトルマ。
たとえ、生き別れたほんとの兄妹だったとて、自分はそんな霞のような存在にあいたいと思うだろうか…?
思わない気がする。
今いる時が自分の時だから、過去って別にいらない。
刹那的なのかな、あたしって。
そんな話をしていると、ラルドがふらふらと歩いていくのが見えた。
………どこへ…?

時は多少さかのぼる。
ラルドはラヒチに去られたあと、ホミンと話をしていた。

「ついてきたのは、ラヒチと話してみたかったんだ」
「それだけ?」
「魔王と戦ってるのに、他の人はみんな魔王を攻撃してるのに、一人だけ味方守る事ばっかりしてる人はどんなんだろうって思った。」
「話してみて、どうだったの?」
「やっぱり、馬鹿だなあって」
ラルドは笑った。もともとよく笑うけれど、この笑みはいつもよりさらに良い笑顔だとホミンは思った。
「逆にかっこいいな、あれだけ馬鹿だと」
「けなしてるの、ほめてるのどっち」
「どっちかな」
「あんただって結界はって助けてくれたじゃない」
「俺は―――」
ふっと、ラルドの目が赤く染まった。
「呼んでる?」
何が、と聞くまでもなく、ラルドは立ち上がった。
「え、何どうしたの?」
ふらふらと歩いていく。
この道は、もしかして―――戻っている?
戻る先は、魔王と戦った地―――
「ラルド!待って!!」
はっと気づくと二人の周りにモンスターが取り囲んでいた。
慌てて攻撃魔法の呪文を唱えるホミン。
その手をラルドがおさえた。
「今日は駄目だ…殺しちゃうよ」
その言葉は、モンスターたちに向けられていた。
そして―――。

山を揺るがす流星群。
それを放っているのは、ラルドだった。
俺たちがついたころには、すべてが終わっていた。
横たわり、荒い息をつくラルドと、座り込んでいるホミン。その周りを取り囲む元モンスター…。
「どういうことだ?」
ホミンは絶望した目をこちらに向けて、呟いた。
「………ラルドは、魔王の血をあびていたんだって…さっき、聞いたの。それで―――」
「それで、この有様か。くそ…」
どうしようもない。
魔王の血は、猛毒だ。
呼んでいたとかいうのも、きっとそれだ。
「多分、これとこれがいいはずだ」
俺はもっていた植物辞典を出して、リンにもってくるようにいった。
あとの二人は魔法が得意なので回復役。
そして俺とトルマは、見張り。
なおる可能性があるなら、看病するしかないだろ―――。
(続)
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