にざかな酒店

カッテの殺戮

と、いうか大概私、なんか「ひどい犯人とか描くの何気にうまくない?気のせい?」と、なんーとなく思ってました。
その中でも群を抜いてめちゃめちゃひどい犯人像をある意味極めてしまった。そんな事件です。
疲れ探偵や美人戦記にもちょっとネタの方向性がかぶってますけど行使できる能力として超能力使えるが当たり前の世界の方が良かったので刻停間です。
まあそんなわけで続きでどうぞ。
カッテの殺戮

皆月空斗と月影草二が会話をしている。
「やっぱりピンピンな人がいきなり亡くなるとなると、災害で亡くなった人っていうのはかわいそうではあるけれど綺麗な死に方ではないかと思うんだ、俺」
「まあ一番いいのは老衰とかであることは間違いないだろうけどな。いきなり死ぬってなるとやっぱり発作的なもんとか殺人や事故とか災害とかまあそんな感じではあるわな」
このご時世であり、なかなか物騒な話題である。
「やっぱり無駄死にとしか思えない殺人が一番やだよねえ」と、しみじみと空斗はいった。そして続ける。
「それも悪いことして恨み買って殺されたっていうならまだ納得も行くけどさあ。人を殺してみたかった、誰でもいいとか、そんなんとかになると何!?って感じだね」
「だよなあ、あの…こないだのおっぱい事件なんてほんとにひどくねえ?」
「これ、月影。その事件名、表に出したらおとこはそれだけでおかしい人扱いだから!」
と、空斗は珍しくちょっと顔を赤に染めて突っ込んだ。それは、このような事件であるーーーー。

私は、90のAカップである。いつのまにかブラジャーの表記はトップではなくアンダーサイズで表記されるようになった。どうですか、この、90のAのすごい屈辱感。
店に行って自分のブラのサイズが迂闊に口に出せないレベルの屈辱である。なぜ、太っているのに胸だけ脂肪がつかないのか?大体太っていたら胸にも脂肪がつくのは当たり前のような気がするのである。私は体が大きく、力もあるのでこのネタを表立っていう人はいない、が、いたら殺す。
そのレベルでムカついている。
自分の体のことだが、自分のせいではないのである。
確かに食べ過ぎは食べ過ぎだろう。だがしかし、それにしたって自分から湧いて出る食欲は自分のせいではないのだし、ダイエットなんてものもいろいろと試してみたりはしたのだ。ただ、食事制限してしばらくたって普通に食べると二倍にリバウンドするんだから仕方ない。我慢したのはなんだったのだ。我慢なんてするものではない。胸に脂肪がつくのは最後だという。で、減る時は胸からであるという。ならばあのグラビアアイドルとかいうものはどうなっているのだ。それなりに痩せているのに胸がしっかりあるのはどうしてだ。
スイカップとかざっけんな。
その脂肪、私の胸によこせ。
と、散々そのようなことをぼやいている青春であり、私に青春はないわけである。
たいていの男子がいいなあというのは華奢で小柄で可愛い子であり。
まさしく塗り壁体型のそれも可愛くない私なんて見るわけがないのだ。
絶望して来た、と、そこになんとなくテレビをつけていたら、乳がんのセルフチェックのコーナーをやっているので、やってみたのだ。
………あれ。
なんか、これ、私…乳がん、じゃ、ないか?
待て待て待て待て。私は90のAカップだぞ。乳がんになるにはやはり物質的に大きい胸の方がなるんじゃないのか。私みたいなサイズでなるわけが…。
そう、私より可愛くて痩せてて大きい胸の娘は山ほど…。
………プチっ。

そうして、彼女は犯行に及んだのである。自分の備わっている能力、かまいたちの能力で、ビル風のかまいたち現象を真似するように、少女たちの胸を刈り取りまくったのだ。
ひどい事件が横行する世の中だとは行っても、ここまでのひどい事件もそうそうないだろう。
そこで狩り出されたのが皆月魅厘である。
あんまり、犯人確保に失敗した時のリスクが高すぎるので彼女は断ろうとした。
いくら人の能力吸い放題の最強キャラだという設定であっても、あんまりにあんまりな犯人である。
さすがの彼女も及び腰であった。
が、しつこく犯人の能力吸い取ってくれないと困るのだ、と刻停間の女子能力者部に説得されて、仕方なく空斗を連れて行ったのである。
いざという時相手の能力を無効化してもらうために。
「っていうか、この事件だと…」
と、魅厘はつぶやいた。
「敵が男だと相手は阿部サダか?」
「魅厘さん、それやめて」
さすがに空斗もそれは嫌だ。
ビルばっかりで視界も悪い中、その相手と対戦しなくてはいけないのだ、勘弁してくれ。
と、思うとどこからか嫌な風が吹いた。
「空斗!そっちだ!」
「はい」
そっちにはしった空斗をみた大きな女がハートマークを飛ばした。
「あ、あらっ。イケメーン」
「…?はい、確保。」
かくて、刻停間世界最恐の犯人は、あっさり確保されたのである…。

「それもあれって、自分乳がんって思い込んでたけど、本当のところってあんまり胸がないから固く感じてちょっとそう思い込んだだけだったんだよね…」
「殺された奴ら、ほんっとう~の無駄死にだよな…」
「ムネムネってそんなに女の人きになるかなあ…好ましいと思う相手についてるから胸がいいものに見えるってだけでしょ」
「まあ最終的には胸だけで大金掴めるわけでもないから、そうだよなー」
「っていうかさ、犯人側の落ち度で殺された人って何悪いことしたのか、っていう感じだよね…」
「悪の方がルール関係なくいろいろやれるから強いって話もあるよな」
と、しばらく話していて、彼らは結局「やっぱピンころ系は老衰の病死のがいいぜ、絶対」
という結論にたどり着いたのであった。
「まあ、無駄死にしないようにな!」そう、とどのつまりそれしか人生に教訓はないのである。終わり。
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