(天王寺公園)
民間業者の活用でうまくいった例がある。大阪城公園や天王寺公園である。今まで、公園内では店を出して営業することは禁じられていた。だから、殺風景であまり訪れる人も多くはなかった。
しかし、橋下徹大阪市長(当時)は、公園内で出店することを可能にした。「どうぞ公園を使って金儲けをしてください。その代わり、公園の維持管理費を負担してください」という契約を民間業者と結んだのである。その結果、大阪城公園からは、維持管理費に加えて毎年2億円の基本納付金と売り上げの7パーセントの納付金が大阪市に入ることとなった。
大阪市にしてみれば、管理費がかからなくなっただけではない。一定の収入を得ることができるうえ、民間企業のお金で公園内が整備され美しくなった。レストラン、スターバックス、コンビニなど、たくさんの店が立ち並び、しかも公園の景色とうまく溶け込んで不自然さがない。おかげで大阪城公園はインバウンド客をはじめとする観光の目玉になった。
(大阪城公園)
先日、天王寺公園を訪れてみてびっくりした。かつては、縁台将棋をしているおっちゃんや、大音量でカラオケに興じるおばちゃんたちがいたのに、今ではきれいな店が立ち並び、芝生でくつろぐ家族連れなど、たくさんの人が訪れるようになっていた。
よくぞ、まあ、こんな施策を思いついたものだ。この施策は大成功だったといっていいのではないか。政治家橋下徹。少し危険なにおいもするが、このまま政界から引退してしまうのは惜しい気もする。