見出し画像

南英世の 「くろねこ日記」

ウォール街の野望

面白い本だった。印象に残ったところを紹介する。
アメリカの大統領選挙は資金戦争である。1回の大統領選挙で約2000億円のお金が飛び交う。ウォール街は選挙結果のリスクを避けるために共和党、民主党の双方に大口献金をしている。したがって、アメリカの政治にはウォール街の意向が反映される。

ウォール街は時にはマスコミを使ってフェイクニュースをでっちあげ、戦争を引き起こす。戦争はもうかる商売である。
またアメリカの政治家は、ウォール街の営業マンよろしく各国に出向いて交渉し、その国の法律を変えさせウォール街の利益に貢献する。日本でも大店法の廃止、保険法の改正、医療制度改革、遺伝子組み換え食品にかかわる法律の変更、郵政民営化、水道法改正などなど、株式会社アメリカは利益を求めてさまざまなところに手を伸ばしている。

たとえば、郵政民営化とは何だったのか?
著者によれば、これを要請したのはゴールドマン・サックスのロバート・ゼーリック副会長であるという。彼は竹中平蔵氏に手紙を書き郵政民営化を進言した。狙いは、郵便貯金340兆円を解放し、そのお金をゴールドマン・サックスが勧めるリスク商品(=アメリカ企業の株式や債券)に投資させることである。これによってゴールドマン・サックスは何億円という莫大な手数料を稼ぐことができる。

日本のマスコミは放送法によって外国人所有分が20%を超えてはいけないとされている。しかし、フジや日本テレビは20%を超えている。両社は日本を代表する右寄りのメディアである。このことが意味するのは何か? 容易に想像がつく。



日本のメディアが伝えない面白い視点から分析している本である。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日常の風景」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事