石破茂という政治家は国民の間ではすごい人気がある。日本がもし大統領制をとっていたら、一国のリーダーに選ばれているかもしれない。しかし、残念ながら自民党の中ではすこぶる評判が悪い。なぜ、彼は自民党の中で嫌われるのか。
第一に、政治姿勢が常に国民目線であって、自民党の暗部をも包み隠さず批判する。先日もテレビで、モリカケ問題や桜を見る会の再調査の必要性について問われ、「必要があれば再調査する」と明確に答えていた。
理由は、政治家の説明責任とは「説明したからハイそれでおしまいということではない。説明した結果国民が納得することが必要だ」と述べていた。実に分かりやすい。こうした分かりやすさが国民の支持を得る最大の理由だが、それはとりもなおさず渦中の人の怒りを買う。
第二に、政策論争で相手に逃げ道を作ってやらない。理路整然と正論を述べ、一歩一歩相手を追い詰める。あの調子でネチネチとやられたら、論争に負けた相手には反感しか残らない。
第三に、派閥が大きくならないことが物語っているように、自民党内での友達作りが下手である。友達作りの源泉が「氷代」「モチ代」に象徴される資金提供や利益供与、政治的駆け引きであるとするならば、彼はそうしたことを潔しとしないのかもしれない。
一見すると顔は怖そうに見える。しかし、酒を飲んだ時などは大変いい笑顔を見せる。話も面白い。先日ネットで面白い写真を見つけた。「猫に愛される石破茂」というタイトルがついていた。彼にはこんな一面もあるのか。国民に人気がある理由の一つかもしれない。