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南英世の 「くろねこ日記」

スキーはもう限界か?

大阪に30年以上住みながら、ハチ北スキー場(兵庫県)には行ったことがなかった。
一度行ってみたいと思っていた。
本当は、2泊3日くらいでゆっくりしてきたかったのだが、1名対応のホテルがなかったので、仕方なく日帰りで行ってくることにした。

朝7時20分、新大阪発の神姫バスに乗る。
中国自動車道を通って、ハチ北まで3時間半。
今は、八鹿(ようか)までずっと高速で結ばれているからずいぶん便利になっている。
途中、丹波あたりから雪景色に変わる。
養父(やぶ)に来ると、もうすっかり雪国の風情である。



生まれて初めて滑るハチ北。さすが、関西随一のゲレンデである。
しかし、天候は最悪だった。
西高東低の冬型の気圧配置で、ゲレンデは猛吹雪。
視界は良くて50メートル、時には2~3メートル。
一番急斜面につづく北壁(きたかべ)リフトは止まっていた(残念)。

今シーズン、初めて滑るから、最初はボーゲンから確認。徐々に普通の滑りに戻していく。
平日にもかかわらず、中央ゲレンデはかなりお客さんが来ている。
見ていると、客の9割以上は学生風のボーダーで、スキー客はたまにポツリポツリ見かける程度である。
スキー盛んなりし1980年代は、リフトに乗るのに1時間待ちなんてざらにあったが、今は待ち時間なしが当たり前。
時代の流れを感じる。

猛吹雪の中、いつものようにガンガン滑っていたのだが、どうも調子が出ない。
思ったような滑りができないのだ。
おまけに、すぐ息が上がる。
去年赤倉に行った時はもう少し滑れたと思うのだが、今年は全然ダメ。
視界不良なうえ、初めてのゲレンデで斜度もどのくらいかよく分からない。
雪面が見えないので、どうしても直線的に突っ込んで行けない。
納得のいかないまま、早めの昼食を取る。

午後、ますます吹雪がひどくなる。
新雪にエッジをとられて2回転倒してしまった。
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体力の限界を感じた。
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・・・・・・・・・

去年、板を買い換えたばかりだったが、そろそろスキーを「卒業」しなければいけないのかなと、
ふと、そのとき思った。
64歳になって、若いころと同じような滑りができるはずもないのは、頭では分かってはいる。
しかし、やはり悔しい。
年齢相応の滑りで楽しむこともできるのだろうが、
やはり納得がいかない。
ガンガン滑りたいのだ。


もう、スキー場に来ることはないかもしれないと感じた瞬間、さびしかった。
最後の一本を丁寧に滑った。
けがをしなくてよかった。
そう思い、感謝しながら山を下りた。


思えば、40年間の楽しいスキー人生だった。

http://homepage1.canvas.ne.jp/minamihideyo/ski.htm
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