正解は誰にもわからない。確率の問題と言えるかもしれない。変えることによって良くなると思うか、それとも悪くなると思うか。変えることによってよくなると信ずる人を革新、悪くなるから今のままのほうがいいと信ずる人を保守と呼ぶならば、今回、私は保守の立場を支持した。
今回の勝敗を分けた要因はなんであっただろうか。一つ確実に言えることは、維新のヴィジョンが反対派を説得できるほどのものではなかったということである。投票結果の分布を見ていると、やはり住民サービスの低下を心配する声が強かったのかなと想像できる。
その象徴が公明党の動きに見られる。前回反対だった公明党が「次の衆議院選挙で対立候補を立てるぞ」と維新に脅されて今回は賛成に回った。公明党の山口代表も大阪に入りテコ入れを図った。しかし、それにもかかわらず公明党支持者の半分以上は反対票を投じた。鉄の団結を誇る創価学会が、トップの呼びかけにも応じず造反したのである。
維新の本質は、効率重視、競争促進、福祉切り捨て、弱者自己責任である。自民党のタカ派(清和会)に近い。だから、いくら東京の本部が旗を振ろうが、10年に及ぶ維新の政治を見てきた創価学会員が、維新の主張を信用できなかったとしても不思議はない。
大阪を発展させたい。そうした思いはみな同じである。問題はその方法である。一般に、交通網が発達すればするほど、東京1局集中が進む。地方の過疎化、四国の惨状、大阪の衰退・・・。根っこはみな同じ問題である。今回、大阪だけが注目されたが、過疎問題は全国的なスケールで考える必要がある。
東京から見れば大阪も一地方都市にすぎない。大阪は人口も経済力もすべて東京の3分の1しかない。東京と競うのではなく、大阪の特徴を生かした街づくり(それが何かは私にもわからないが)を追求すべきではないだろうか。
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