鹿児島を拠点とする新聞に南日本新聞というのがある。そこに上野千鶴子氏が面白い投稿をしていた。
世の中はどんどん変化する。いい方向に変化すれば結構なのだが、ときに悪い方向にも変化するから厄介だ。教育改革はその典型と言えるかもしれない。
高校で行われる勉強は「学問か学問ではないか」と問われたら、私は迷わず「学問である」と答える。私は現役の教師時代、その姿勢を貫いてきたつもりである。
このエッセーを書いてから四半世紀が過ぎた。しかし、高校教育は一向に変わっていない。大学教員の嘆きは昔も今も同じである。
学校教育を変えるにはいくら学習指導要領をいじっても無駄である。入試制度そのものを変える必要がある。「センター試験」は「共通テスト」に変わったが、このくらいの改革では何の役にも立たない。いっそのこと全国統一試験を廃止してしまってはどうか。廃止が難しければ、せめて基準を満たした者のみに大学受験資格を与える資格試験にしてはどうか。もちろんその「基準」は緩やかなものでなければならない。
教育というのは「おもしろい」と思わせることが本質である。そうした教育から未来を担う人材が生まれてくる気がするのである。