5月14日、文化庁事業の親子囲碁教室が生野未来学園で行われた。関西棋院の森野節男9段のお供をして、インストラクターとして初仕事をしてきた。
囲碁のルールは簡単だから数分もあれば覚えられる。すぐ実戦に入る。最初は9路盤、次に13路盤、最終的には19路盤で打つ。子どもは猛スピードで1局を打ち終わる。
インストラクター試験を受けた時、講師の先生から「子どもに石を取らせてあげてください。絶対に子どもの石はとってはいけない」と教えられた。「センセ、ヘタやな―」などと憎まれ口を言われながら石を取らせる。それが囲碁を好きにさせるコツらしい。
囲碁のルールを覚えたばかりの子が3連敗してしょんぼりしていた。9路盤で指導碁を頼まれた。たくさん石を取ってもらって勝たせてあげた。なんとも言えないうれしそうな顔をした。そばで見ていたお父さんもうれしそうだった。きっと来週も来てくれるだろう。囲碁を嫌いにさせたらインストラクター失格である。
もっとも、大人の人と対局するときはそうはいかない。こちらも真剣に打つ。そして、どこを修正すれば強くなれるかをアドバイスする。囲碁は実力差があってもハンディを付けることでみんなが楽しめるゲームである。さしあたり9月まで、土日はこうした活動が続く。
(子どもたちに指導する森野節男9段)