書店に平積みされていたので読んでみた。1986年に第1刷が発行されて以来、86刷を重ねてきただけに、なかなか含蓄のある文が多い。
学生はグライダーみたいなものである。先生に引っ張られてついていくだけで、自分で飛んでいくことができない。人間には自力で飛行できる「飛行能力」が必要だ。
昔は塾や道場に入門してもすぐには教えてくれなかった。薪割りに水くみ・・・。なぜ教えてくれないのかとだんだん不満がたまる。それが学習意欲を高めた。教え始めても全部は教えない。仕方がないから弟子は自分で新しいものを考えた。
コンピュータが出てきて、人間の頭を「知識のストックを貯める倉庫」のように扱うことに疑問が出されるようになった。それからは「創造性」ということが言われるようになった。今の学校は教えすぎだ。親切すぎる。学生は口を開けて待っているだけだ。