天王寺高校で授業をするようになって、読書量が大幅に増えた。やっぱりアウトプットの機会があるからインプットしようという気になるのだと改めて思う。最近買った本は実に多様である。分野もさまざま、ウイングも右から左までさまざま。
『皇室と日本精神』というのは1936年に初版が発行され、戦後GHQが発行禁止にしてしまった本である。右翼出版社が復刻版を出しているというので興味本位で買ってみた。書店にはもちろん売っていない。
副島隆彦の『金融恐慌が始まるので金は3倍になる』という本も、真偽のほうはともかく面白そうなので買ってみた。最近の金価格の高騰は異常である。ついに1グラム1万3000円、1キロの地金なら1300万円になってしまった。いったい誰が買っているのか?
副島によると世界は米国一強が崩れ、「脱ドル化」が進んでいるという。特に中国は8200億ドル(120兆円)の米国債を保有しているが、いまどんどん金に置き換えているらしい。そこへもってきて、ロシアが「石油や天然ガスが欲しければ金を持って来い、ドルでは売らない」と言い始めた。そんなこともあって各国の中央銀行筋が金を買っているのだという。
2020年のコロナ対策として各国は巨額の金融緩和政策を行った。その結果、アメリカではインフレが進行した。これを食い止めるためにFRBは金利を引き上げた。アメリカではやがて景気後退が進み、さらに3年後の2027年には米国債が暴落してアメリカ発の金融恐慌が発生すると副島予測する。嘘か真か。
『ほったらかし投資術』もなかなかいい本だった。忙しいサラリーマンの投資戦略はいかにあるべきか。著者のおススメは、個別銘柄への投資ではなく、インデックス投資である。個別銘柄を買うと価格変動が気になって仕事に集中できない。しかし、インデックス投資はそうした気遣いがいらない。
また、投資とは「買ったり売ったり」することではなく、長期に「持ち続け」て年率5%の利回りを目標とすることだとも説く。損切りはせず、良い時も悪い時もすべて付き合うことが大切だという。では、具体的にどのファンドがいいか? それはここでは書けない。興味のある方は本を読んでください。
内田樹の『だからあれほど言ったのに』もなかなか面白かった。内田流の歯に衣着せぬ物言いが小気味いい。
・日本の政治家は国民のための政治ではなく、アメリカが喜ぶ政治を行っている。
・アメリカの軍需産業は古くなった大量の在庫を抱えている。その古くなったトマホークやF35戦闘機などを日本に売りつけ、そのお金でAIを使った新兵器を開発している。
・富裕層は公権力を私用に流用しており、その生き方は「貧乏くさい」
・今の学校は成績で「格付け」する評価機関になっている。格付けすることが学校教育の目的ではない。
・学ぶということは「別人になること」である。
・大阪の維新の政策は・・・・・
これ以上書くと著者からおしかりを受けそうなので、やめておく。
昨日は1週間に一度の一日席主の日。たくさんの本を持ち込み、お客さんの対局相手をする傍ら、新書を2冊読んだ。囲碁サロンは私の第二書斎でもある。