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南英世の 「くろねこ日記」

森友問題と忖度行政


今話題の森友学園を見てきた。敷地面積が8770平方メートルと聞いて、そんな狭いところに小学校が立つのだろうかと不思議に思い、自分の目で確かめることにしたのだ。仮に9000平方メートルとしても100メートル×90メートルしかない。阪急庄内駅に下車する。そこから歩いて10分。やがて、テレビでおなじみになった朱色の校舎が見えてきた。


たしかに広くはない。写真ではグランドは広いように見えるが、カメラのいたずらである。実際の感じでは幼稚園の運動場よりちょっと広いくらいか。



すぐ真上を、飛行機がバンバン飛んでいく。伊丹空港に着陸するためだ。当初、この土地は国土交通省大阪航空局が管理していたが、その理由が分かった。やはり、現場に来ないとわからないことも多い。



9億円の土地を8億円値引きして1億円で売る。常識で考えて、あり得る話ではない。森友学園の名誉校長に安倍昭恵夫人の名前がある。これを見た官僚が、「忖度」して値引きを指示したのか。しかし、ばれると自分の身が危ないようなことを、官僚が自分の責任で行うだろうか。政治家から何らかの圧力があったと考えるほうが理にかなっている。

もし、政治家からの圧力がなく、官僚が官邸の意向を忖度して自らの意思で8億円値引きしたとするならば、官僚にそこまでさせる原因は何なのか。考えられるのは2014年に設置された「内閣人事局」の存在である。これにより、それまで省庁ごとに行われてきた国家公務員の幹部職人事が内閣人事局に一元化された。簡単に言えば、安倍首相や菅義偉官房長官の覚えがめでたくなければ、幹部にはなれなくなったのだ。

官僚は優秀である。官邸に逆らえば、冷遇される。反対に、官邸に忠誠を尽くせば高い評価を受け、出世できる。そうだとすれば、政権に近いことを売りにする官僚が出てきてもおかしくはない。

政治家からの圧力があったことを立証するのは大変だろう。結局は、官僚が勝手にやったこととして処理される公算が大きい。官僚をそこまで追いつめている内閣人事局は早々に廃止されるべきであろう。政治家の横やりに対して、法律を楯に正論を述べる。官僚の能力を最大限に発揮できる環境を整える必要がある。
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