「今春の大阪府立高校入試で採点ミスが多発した問題で、府教委は4日、高校の管理職や採点を担当した教員ら計355人を処分した。採点ミスは全府立高校の3分の1を超す58校(特別支援学校を含む)であり、うち3校で8人が誤って不合格とされていた。府教委は誤って不合格とされた8人を合格としたうえで、来春の入試に向けて▽全答案用紙を2グループで別々に採点・照合▽問題・答案用紙の改善−−などの再発防止策をまとめている。」(毎日新聞 2013年10月04日)
私も府立高校の教員をしていたから、採点の現場をよく知っている。ペンの色を変え、2重、3重にチェックするから、採点ミスなど起きようがない(はずである)。しかし現実にこれほどたくさんのミスが起きている。
一方、大手予備校が実施する模擬試験の答案に採点ミスがあったということは全く聞いたことがない。いったい、どのような採点システムを取っているのか。
先日、全国規模の模擬試験(受験者数40万人規模)を担当しているある大手企業の人に、どのような採点方法をとっているのか伺う機会があった。
聞いてみると、答案をスキャナーで取り込み、答案用紙を細切れにして、採点者は解答欄の1個だけを担当し採点するのだという。なるほど、この方法なら採点ミスはほとんど起きようがない。
さすが、民間企業。
考えることが違う。
恐れ入りました。
では、その方法を府立高校も取り入れればいいではないか、と思う人がいるかもしれない。しかし、同じ方法を各学校単位で実施するのは100%無理。
もし、どうしてもやりたいなら、現場の教師が採点をするのではなく、教育委員会の中で「採点センター」という部署を作り、そこで府下すべての受験生の答案を集めて集中的に採点するしかない。そうすれば、採点ミスはほぼ100%、根絶できるだろう。その代わり、採点に最低1カ月はかかる。
やっぱり、実行するのは無理か……
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