南英世の 「くろねこ日記」

否定しない習慣

 

著者はビジネスリーダーにコーチングを教えるプロである。人間関係をよくするためにこれまでは「ほめる」ことが重視されてきた。これに対して著者は「否定しない」ことが重要であると説く。否定はたとえそれが意見に対する否定であっても人格に対する否定と受け取られる。

私たちに日常生活の中で無意識のうちに相手を否定することが多い。

 ① 相手の話を遮り自分の意見を言う。

 ② 事実を突きつける

 ③ 相手を責める

 ④ 相談に対して真剣に向き合わない。

 こうした背景には「自分は正しいと思っている」「その人なりに精いっぱいやっていることを理解しない」「上から目線でモノを見ている」といったことがある。

 

 では、人間関係をよくするためにはどうすればいいのか。著者が挙げる否定しない技術とは例えば次のようなものである。

 ① 相手が話し終えるまで黙ったままでいる。 ② 相手が言ったことをオウム返しで返す。

 ③ 笑顔を意識する(口角を上げる)。

 ④ 合の手を入れる

 ⑤ 一緒に考えようと提案する

 ⑥ どうしても相手の言っていることに反論する場合には「ちょっと厳しいことを言うけれどいいかな」と前置きを入れる。

 

子どもに「将来何になりたい?」と聞いたとき、日本だったら「無理無理無理・・・」と大人は答える(笑)。一方、アメリカのコーチングの仕方は「素晴らしい。じゃ、どうやったら本当になれるか一緒に考えてみよう」と提案するのだそうである。

うーん、なるほど。軽い本だから1時間もあれば読めるが、内容は決して軽くはない。

 

 
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