久しぶりに本を読んだ。軽い読み物だったから2時間もかからなかった。
最近、テレビで活躍する山口真由氏。東大法オール優首席卒業 3年次に司法試験合格、財務省入省、ハーバード・ロースクール卒業、ニューヨーク州弁護士登録という華々しい経歴を持つ。
その著者が自らの「挫折」体験を赤裸々に語っている。 なんでもできるはずだと思っていたのに、財務省ではミスばかり。弁護士としても力を発揮できず肩たたきにあう。逃げるようにハーバードロースクールに入っては見たものの、帰国しても職はなく月数万円で暮らす超貧乏生活が続く。
そうした挫折体験を通して気が付いたこととは「自分は記憶力がほかの人より異常に高かっただけ。他の能力は普通だった。だから学校時代の評価は高くても、社会に出てみると仕事は全くできなかった。それを何でもできると勘違いしていた。できる自分もできない自分も全部私だった」。
人の能力は様々。今では自分の価値観で「この人は私より上、この人は私より下」とみることはなくなったという。彼女を勘違いさせた日本の教育に問題はなかったのか。30代で気がついてまだ幸せだったかも。進学校で教鞭をとる先生方にお勧めしたい1冊である。