2025年2月23日、世界で初めての障害者による国際囲碁大会がソウルで行われた。大会には日本、台湾、中国、モンゴル、ロシア、韓国の計6ヵ国から40名の選手が参加した。大会2日目には各国の代表が集まり、今後もこうした国際試合を継続的に行うための会議が開かれた。
(会議の様子)
話し合いは韓国語、日本語、中国語、英語で進められた。幸い、参加者の中には3か国語、7か国語を話す人が含まれており、その人達のお陰でスムーズにコミュニケーションをとることができた。
(右端は森野節男九段、右から3番目が筆者)
午前と午後にわたる意見交換の結果、「国際障害者囲碁連盟」を創設することが決定され、以下の内容が合意された。
① 正式名称をInternational ParaGo Federation(IPGF)とする。
② 本部を韓国に置き、役員を以下のとおりとする(敬称略)。
代表 ヒョン・ミョンドク
事務局長 ナム・チヒョン
理事(6名)
森野節男(日本)
孫元(中国)
ツァイ・チヤオ(台湾)
ツェンダユシュ・ハタンバートル(モンゴル)
ボグダノフ・ヴィクトル(ロシア)
アントニウス・クラーセン(ドイツ)
③ 来年の開催国を台湾とし、期間は2026年2月23日~2月26日を予定する。
一口に障害と言っても身体的、知的、精神的など様々な種類がある。だから、対局は当然部門別ということになる。とくに視覚障害の場合は全盲の人もいれば、いろんなタイプの弱視の人もいる。現在のところこれらに関する国際的な統一基準はない。会議ではこうした基準作りについても話し合われた。
大会1日目に行われた対局のスナップ写真をいくつか載せておく。
(対局会場風景)
二人とも視覚障害者だが、プロに先で打つ=県代表レベルの実力を持つ
謝さん(右)はアジア大会の銀メダリスト。プロと同等の実力を持つ
(参加した選手の皆さん)
囲碁に国境はない。囲碁を通じて世界平和に少しでも近づけるよう努力したい。来年は台北で2月23日~26日に開催される。