見出し画像

南英世の 「くろねこ日記」

新自由主義と戦った男


1991年にソ連が崩壊し、資本主義対社会主義の決着がついた。それから28年が過ぎた。いま改めてソ連崩壊の意味を考えてみた。ソ連の崩壊は世界に何をもたらしたのか?

結論から言えば、自由と平等の二つの価値観のうち、平等を追求する価値観が崩れ去ったということではなかったのか。アメリカの一人勝ちとなったことから、自由を最優先する新自由主義が絶対善として君臨し、日本もそれに巻き込まれてしまった。自助と公助のうち、公助がどんどん削られ、自助努力が求められるようになった。

学校現場でも、例えば大学に行くときに「奨学金」という名目の教育ローンを借りる人が多い。毎月10万円として1年間で120万円。4年間でざっと500万円である。大学院まで行くともなれば、この上さらに300万円ほど上乗せされる。これを就職してから返済するわけだが、これでは、貧しい家庭の子どもは人生をマイナスからスタートするようなものだ。

分かりやすく言えば、100メートル競走をするのに、貧しい家庭の子どもは最初のスタートラインを200メートルほど遠くに設定されるようなものである。一方、裕福な家庭の子どもは最初からスタートラインを50メートルほどゴールに近いところに設定されている。こんな政策をやっておいて「競争だ」「負けるのは自己責任だ」と言われて納得できるだろうか。

そんな新自由主義の危うさにいち早く気付き、新自由主義の旗手であるフリードマンと戦ったのが、宇沢弘文である。彼は東大の理学部数学科に入学し、大学院を経て経済学に転向し、アメリカの経済学界で活躍したのち、再び東大に戻ってきた人物である。彼については私も以前ブログで書いたことがある。

https://blog.goo.ne.jp/minami-h_1951/e/d7c27fb5ef5cecb41c6c9b4b93b45e60?fbclid=IwAR2wGmW4TKBgoUtO1Ff037PdDK0g-B_e185sz6jvftCSXoW0qyU9FpH643E

今日、たまたま本屋で宇沢の伝記本を見つけたので買ってきた。
私の残りの人生で何をしなければいけないのか、少しずつ見えてきた気がする。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日常の風景」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事