うつつに浮かぶゆめひとつ 照らす光は、影を呼ぶ されど、人は光を求むる
世界に閉ざされた閉鎖空間。そこに、邪夢の事務所があった。未来 永劫、迷い彷徨う魂の墓標とでも言おうか。その時空は、あらゆる世界に繋がる終焉の果て。だが、終わり=虚無ではない。そこには、あらゆる欲望が渦巻く混沌とした世界があった。邪夢の事務所は、求める者には知らぬ間に導き、辿り着いている。その世界が、どんな世界であれ、その力を求める者の声に応える。人は、かの者を邪悪な夢と呼ぶが、夢を持たぬ存在ですらも、一目を置く存在であり、虚無の空ろなる世界の理にも通じるとも信じられている。
世界を何度も滅ぼした、邪悪なる化身、シグマとオメガと仮の名の小さな動物が事務所の留守を預かっていた。
人間界へ潜入する時は、自称、地下アイドルという肩書きがある。もちろん、シグマとオメガの二匹がマネージャーである。子犬と子猫が何を言おうが、普通の人間には理解できない。そんなことくらいで、挫折しては地獄を渡り歩くことなど不可能だろう。
「お帰りなさいませ、ご主人様~♪」と気の抜けた声が、所長の机と書かれた札から聞こえた。
否、机の後ろにある椅子に背の低い人間が座っているようだと、目を凝らして気づいた。
『ワン、ワン』『ニャー、ニャー』こんな、怪しげな一室に、俺は足を踏み入れてしまったのか…
世界に閉ざされた閉鎖空間。そこに、邪夢の事務所があった。未来 永劫、迷い彷徨う魂の墓標とでも言おうか。その時空は、あらゆる世界に繋がる終焉の果て。だが、終わり=虚無ではない。そこには、あらゆる欲望が渦巻く混沌とした世界があった。邪夢の事務所は、求める者には知らぬ間に導き、辿り着いている。その世界が、どんな世界であれ、その力を求める者の声に応える。人は、かの者を邪悪な夢と呼ぶが、夢を持たぬ存在ですらも、一目を置く存在であり、虚無の空ろなる世界の理にも通じるとも信じられている。
世界を何度も滅ぼした、邪悪なる化身、シグマとオメガと仮の名の小さな動物が事務所の留守を預かっていた。
人間界へ潜入する時は、自称、地下アイドルという肩書きがある。もちろん、シグマとオメガの二匹がマネージャーである。子犬と子猫が何を言おうが、普通の人間には理解できない。そんなことくらいで、挫折しては地獄を渡り歩くことなど不可能だろう。
「お帰りなさいませ、ご主人様~♪」と気の抜けた声が、所長の机と書かれた札から聞こえた。
否、机の後ろにある椅子に背の低い人間が座っているようだと、目を凝らして気づいた。
『ワン、ワン』『ニャー、ニャー』こんな、怪しげな一室に、俺は足を踏み入れてしまったのか…