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時計界のダ・ヴィンチ
18世紀に、「時計界のダ・ヴィンチ」と呼ばれた天才時計師。
現代では常識となっている機械式時計の様々な技術革新を成し遂げ、「時計の歴史を2世紀は早めた」といわれています。
彼の発明は複雑機構や構造面にとどまらず、時計を芸術作品に高める事にも成功し、現在、他社の製品でも採用されている「ギョーシェ文字盤」の様な装飾も全てブレゲの考案。
円周に沿って数字を配置し、中心から時針、分針、秒針が回転する基本構造から、姿勢による誤差を補正するためのトゥールビヨンや耐震機構まで、ほとんどの技術を誕生させました。
その高い技術や精度、洗練されたデザインにおいて、ヨーロッパ王侯貴族を虜にし、王妃マリー・アントワネットや、ナポレオンも、彼の時計に魅せられた熱心なコレクターでした。
また、「ブレゲの時計を持つ事は、天才の頭脳を持つ事に等しい」 と言われ、特権階級の間では、ステータスの証とされていました。
マリー・アントワネット
マリー・アントワネットはその名の通り、かのフランス王妃の注文を受けたブレゲが、19年の歳月をかけて完成させた超複雑時計。
この時計は、クリスタル製の透明な文字盤を使用し、内部機構を楽しめるようになっています。
その内部機構には、ブレゲの開発した最新鋭の技術が惜しみなく投じられており、ゴールドやサファイア、プラチナをふんだんに使用した超高級品でした。
このマリーアントワネットは、エルサレムの美術館に所蔵されていたが、1983年に盗難に遭い現在は所在不明となっています。
もし、オークションに出品されれば、数十億円になるといわれています。
編集後期
「ギャラリーフェイク」を観るまで、こんな凄い人が過去にいたとは知りませんでした。
現代では常識となった機械式時計の様々な技術革新を成し遂げて、時計の歴史を200年も早めたというのは、もはや神の領域に達しています。
そんなブレゲが最新鋭の技術を惜しみなくつぎ込んで、19年の歳月をかけて完成させたマリーアントワネット、実物を1回見てみたい。。
【記事引用】「ギャラリー・フェイク」「時計コレクション」「Terauchi & Co.,Ltd.」
【画像引用】「時計のコラム」「Terauchi & Co.,Ltd.」