宇宙刑事ギャバン
1982年3月5日~1983年2月25日放送
1982年3月5日に放送が開始された『宇宙刑事ギャバン』。
“蒸着”という変身コードによって、宇宙基地から粒子として電送された銀色のコンバットスーツを身に纏って戦う新ヒーローに、当時の子供達は熱狂しました。
そして2022年3月5日、放送開始40周年を迎えました――。
宇宙犯罪組織 VS 宇宙刑事
宇宙の裂け目・虚構の中に居城を構える宇宙犯罪組織マクーは、地球を植民地化し、犯罪に満ちた惑星にしようとしていた。
完成間近だった地球のスペースコロニーを破壊したマクーの戦闘円盤は、東京も襲撃し、地球上の秘密基地に武器や資材の運搬を始めた。
そんな中、バード星人の父と地球人の母を持つ銀河連邦警察のギャバンは特命を受け、バード星から地球へ向けて飛び立ち、マクーの邪悪な野望を打ち砕くため闘いを挑む――。
編集後記
当時、幼少期を過ごした子供たちにとっては、ギャバンはまさに伝説的なヒーロー。
宇宙規模の壮大な世界観や、ビデオ合成技術を駆使した革新的な映像表現。そして、名フレーズに溢れた歌詞を串田アキラがパワフルに歌い上げる主題歌。
主題歌は宇宙刑事3部作の中で一番カッコよく、KinKi Kidsの堂本光一も『LOVE LOVE あいしてる』で演奏したほどのお気に入り。
そんなギャバンは、東映特撮ドラマの危機の中で劇的に誕生した。
『ウルトラマン80』と『仮面ライダースーパー1』が1981年で終了し、平均して年5~6本あった東映特撮ドラマが『スーパー戦隊』の1つだけになってしまったのである。
逆境を覆す新たなヒーローの創造が急務となっていた中、村上克司によって、メタリックなスーツに身を纏った革新的な新ヒーローが生み出された。
赤く鋭い眼光は“悪への怒り”を表し、「野獣のように鋭く、それでいて野卑ではない品位のある眼」を意識して描いたという。
この新番組には危機的局面を突破すべく、“失敗したら二度と特撮の新ヒーローは作れなくなるほどの額の”過去最高の製作費がかけられた。
金曜夜7時半からのゴールデン枠を、自らの進退を賭けてとってきた吉川プロデューサーに、主演の大葉健司は「それなら、自分は現場で命を賭けます」と答えたという。
他にも、脚本の上原正三、演出の小林義明、特撮の矢島信男、アクションの金田治、音楽の渡辺宙明など才気あふれるメンバーが集結。
その結果、子供達の間で人気が爆発し、同時間帯の視聴率は1位となり、玩具も売れに売れた。
その後、宇宙刑事シリーズ3部作が作られ、80年代の象徴となるメタルヒーローシリーズへと発展していくことになるのである――。
【出典】「超合金の男 ー村上克司伝-」「宇宙刑事ダイナミックガイドブック」
「宇宙刑事スペシャル2」「Amazon Prime」