
日本製紙クレインズ
1949年に創部された北海道・釧路を本拠地とするアイスホッケーチーム。
クレインズの前身は十條製紙アイスホッケー部で、日本や中国、韓国、ロシアのクラブチームが参加している「アジアリーグ」に所属している。
ホームリンクは、日本製紙アイスアリーナ。
市民公募でクレインズに
クレインズは、1949年に十条製紙アイスホッケー部として十條製紙釧路工場に誕生し、1974年の第9回日本アイスホッケーリーグから加盟。
リーグ加盟後は低迷期が長く続き、古河電工と「最下位を毎年交代で分担しよう」と本気とも冗談ともつかない話があったとか。
その後、1993年4月に十條製紙と山陽国策パルプの合併で企業名が日本製紙となり、愛称は市民公募で“クレインズ”に。
大空を優雅に力強く飛翔する丹頂鶴のように、釧路を代表する強く誇り高いチームになってほしいという願いが込められている。
クレインズは、アジアリーグの2003-2004シーズンで、チーム初のビッグタイトルとなるアジアリーグ初代チャンピオンに輝いた。
以降、全日本選手権を7回、アジアリーグを4回制している。
アジアリーグの2013-2014シーズンでは、日本製紙アイスアリーナでプレーオフを制し、初の地元優勝を果たしている。
アジアリーグ
中国、韓国、ロシア、日本の4カ国のアイスホッケーチームが参加しているアジア地域のアイスホッケー国際リーグ戦「アジアリーグ」。
前身は、1966年から2004年まで存在した日本アイスホッケーリーグ。
2003-2004シーズンから、日本リーグとは別に韓国のハルラを加えた5チームで「アジアリーグ・アイスホッケー」を初開催。
北米2カ国をまたぐNHLに習ってアジア各国の強豪チームを集結させた大会を目指し、2004-2005シーズンからアジアリーグに3チームが新規加盟して規模が拡大。
それに伴って、日本アイスホッケーリーグは38年の歴史に幕を閉じることになった。
アジアリーグはレギュラーリーグとプレーオフから成り、レギュラーリーグで5位以内に入るとプレーオフ出場権が与えられる。
プレーオフのファーストラウンドは、3戦2勝先勝方式。
セミファイナル、ファイナルは5戦3勝先勝方式となり、プレーオフで優勝したチームがアジアリーグ優勝となる。
●参加チーム
日本は、王子イーグルス、東北フリーブレイズ、H.C栃木日光アイスバックス 、日本製紙クレインズの4チームが参戦。
海外からの参戦チームは4チームで、韓国からアニャン・ハルラ 、High1 、デミョン・キラーホエールズの3チーム、ロシアからサハリンが参加している。
中国からチャイナ・ドラゴンも参加していたが、北京冬季五輪へ向けた強化策でロシアリーグに参加することになり、2017-2018シーズンから不参加となった。
【王子イーグルス】
イーグルスは1925年設立で苫小牧を本拠地とし、主要獲得タイトル数は51回(日本リーグ13回、アジアリーグ2回、全日本選手権36回)を誇る。
キャプテンでエースの久慈選手や若手注目株として日本代表にも名を連ねる20歳のFW中屋敷選手を中心とする常勝軍団。
【東北フリーブレイズ】
フリーブレイズは、2009年に活動休止をしたSEIBUのメンバーを中心に2008年に設立されたチームで、若林クリス監督は当時の監督。
2017年12月に行われた全日本アイスホッケー選手権大会では、念願の初優勝を飾った。
【H.C.栃木日光アイスバックス】
アイスバックスは、1925 (大正14) 年に創部した古河電工アイスホッケー部が前身。1999年1月の廃部を受け、1999年8月に日本アイスホッケー界初となる市民クラブとして誕生した。
日本人初のNHLプレーヤーのGK福藤選手や日本代表のFW古橋選手など攻守に充実したチーム。
【アニャン・ハルラ】
ハルラは、1994年12月に創設して以来、国内リーグに参戦していたが、2003年に始まったアジアリーグへ。
2010年に、日本勢以外で初めてチャンピオンとなった。
【High1】
High1は、平昌五輪招致への気運向上を目的に、2004年にカジノやリゾートホテル等を運営するカンウォンランドがチームを設立。
初年度は国内リーグだけの参戦だったが、翌年からは外国人選手も獲得しアジアリーグに加盟。
【キラー・ホエールズ】
キラーホエールズは、2016-2017シーズンから新規加盟。
2018年の平昌五輪の成功を促進するため、韓国を含むアジアリーグ全体のレベルアップに貢献することを目指す。
【サハリン】
サハリンは、2013年にロシア極東のユジノサハリンスクを拠点として創設し、翌年からアジアリーグに参戦。
どの選手もスキルが高い上、サイズの大きな選手が多く、旧ソビエト時代から続くロシアスタイルがベース。
アイスホッケーのルール
試合は、第1ピリオド、第2ピリオド、第3ピリオドに分けられ、1ピリオドは20分間で15分間のインターバルを挟みます。
氷上にいるのはFW3人、DF2人、GK1人の計6人で、試合中の選手交代は何回でもOK。
第3ピリオド終了間際に何としても得点がほしい時は、GKを下げてFWを入れ、ゴールをがら空きにした6人攻撃を行う時もあります。
また、6人攻撃時に無人のゴールに得点が入ることを「エンプティ・ゴール」といいます。
【コート】
コート内には、センターサークルとその周囲に4つ、両陣営のゴール付近に各2個 (4つ) の計9つのフェイスオフ・スポットがあります。
反則やその他の理由で試合が中断された場合、審判がパックを近場のフェイスオフ・スポットに落とし、試合が再開されます。
センターラインから左右のブルーラインまでの間の空間をニュートラルゾーンといいます。
ブルーラインからゴールラインまでは、自陣側がディフェンディングゾーン、敵陣側はアタッキングゾーンといいます。
リンク中央に半径4.5mのサークルがあり、ここで試合開始(フェイスオフ)が行われます。
【反則】
審判から反則をとられた選手は、決められた時間の間、試合から外れてぺナルティボックスに入らなければなりません。
その間、そのチームは少ない人数で戦うことになり、人数の多いチームの攻撃を“パワープレー”といい、大きな得点チャンスとなります。
反対に、人数が少ないチームの攻撃は“キルプレー”といいます。ちなみに、パワープレーはPP、キルプレーはPK (Penalty Killing) と略されることもあります。
なお、よく起こる反則として「アイシング」というものがあります。
Aチームの選手がセンターラインより手前 (自陣内) から放ったパックが、誰にも触れずにそのまま相手側のゴールラインを越えた場合に適用されるもので、Aチーム側の反則となります。
その場合、Aチーム側のディフェンディングゾーンでのフェイスオフによってプレーが再開することになります。
キルプレー時はアイシングが適用されないため、ディフェンス側はクリアし放題になります。
また、パックを持った選手が自陣側にいる時、アタッキングゾーン手前のブルーラインより後ろにパックを持たない攻撃側の選手が入ると「オフサイド」となり、反則になります。
【延長戦】
第3ピリオド終了時に同点の場合、5分間の3on3形式のサドン・ビクトリー方式(先に得点したチームが勝ち)による延長戦に入ります。
ちなみに、延長戦はOT、もしくはOVT(Overtime)と表記されることもあります。
延長戦でも勝負がつかなった場合、ゲーム・ウィニング・ショット (Game Winning Shot / GWS) が行われます。
サッカーのPKとほぼ同じ要領で、両チーム1人ずつのショットが交互に5回行われます。5回のショットチャンスでのゴール数が多いチームに1得点が与えられて、勝利となります。
GWSでも勝敗がつかない場合、1人ずつのサドンデス方式に移行します。
つるっ子マニア
日本製紙クレインズを応援している私設サポーター「つるっ子マニア」。
日本製紙工場に20年以上勤めている方が代表を務め、試合会場でのクレインズへの声援や、クレインズ選手とのイベントなども開催している。
会場では、市内の高校のチアリーディング部が応援する日や、「鶴姫DAY」という女性全員無料になる日などもある。
ホームリンクの日本製紙アイスアリーナでは、高校生以下の入場料は無料となっています。
日本製紙クレインズ選手名鑑
編集後記
地元・釧路のアイスホッケーチームということで、昨年から個人的に応援するようになった日本製紙クレインズ。
そんな中、クレインズの試合を東京でも見れるということで、先日の全日本アイスホッケー選手権大会で生まれて初めてアイスホッケーの試合を観戦。
ツイキャスやYoutubeでしか試合を見たことがなかったので、最初は選手の大きさやプレーの迫力、スピード感にびっくり。
特に、スティック同士がぶつかる「バーン!」という音や、選手同士が壁にぶつかる「ドーン!」という音が凄い!
体のぶつけ合いも激しく、“氷上の格闘技”といった感じでした。
また、スティックとパックがぶつかる「カーン!」という音は、バットとボールがぶつかる時の音にも似ていて、選手が高速で滑走していくシーンとともに爽快感があります。
映像と実際のリンクでの雰囲気がこれほど違うスポーツも珍しく、実際にリンクに行って試合を観戦されることをオススメします――。
【記事引用】「アジアリーグアイスホッケー」「アイスホッケールールまとめ」
「日本製紙クレインズ」「We Love Kushiro Craines」
「はばたけクレインズ ~創部五十年・リーグ加盟二十五年~」
「釧路愛好会 ~くしろよろしく~」
【画像引用】「CRANESだよ全員集合!」 「Breakawayアイスホッケー情報誌」
「LOVE HOCKEY!!~ホッケーを愛する全ての人へ~」