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「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」最終回

2022年02月13日 | ★ヒーロー★80-90年代



 「覇悪怒組」最終回



 「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」35周年を記念して、東映特撮チャンネルで毎週月曜日に2話ずつ公開されていた覇悪怒組が先週、最終回を迎えました。

 第49話が21時半、最終話が22時からプレミア公開され、数多くのファンがチャットを楽しみながら視聴し、視聴回数は3万回を突破。

 35年の時を超えて世間を熱狂させた少年探偵団ドラマの最終回を振り返ります――。







 さらば魔天郎



 「光の塔建設計画」を覇悪怒組に打ち明け、協力を依頼する魔天郎。

 悪意ある大人によって傷つけられて心を病んだ少年、少女たちの心を癒すために、太陽の光子エネルギーを利用した塔を建設するという。

 魔天郎が今まで、幻の怪盗として宝石や金銀財宝を盗んできたのは、全てこの“光の塔”を創るためだったのである。





 計画の素晴らしさに賛同する覇悪怒組のメンバーだったが、ヒロシだけが協力を拒んだ。

 「光の塔は、傷ついた子供たちが祈った時、その心に見えればいいんじゃないのか。目的のためならどんな手段を使ってもいいという考えには、俺はどうしても同意できない」





 その言葉を聞いた魔天郎は、出会った頃はイタズラばかりして周囲に迷惑をかけ、正義感の欠片も無かったヒロシの成長を実感したのかもしれない。

 「光の塔は、子供たちの心にあらしめよ・・・。素敵な考えだ。覇悪怒組の諸君、私の負けだ。私は、潔よく光の塔建設計画をとり止めよう」





 そう話すと、魔天郎は覇悪怒組への別れの言葉とともに、宙に消えていった。

 「私はしばらく日本を離れて、私自身を鍛錬してくるよ。いつの日か、再び君たちに挑戦する。その時まで、さらばだ!諸君!」






 ラストシーン



 魔天郎が消えた後、落合先生が乗った電車を追いかけるシーンになります。

 しかし、そのシーンの前にあった覇悪怒組のメンバーが純子先生から渡された落合先生の手紙を読むシーンが放送尺の関係でカットされています。

 その後、近くを電車が通り、「あの電車に落合先生が乗っているはず!」という純子先生の言葉を聞いて自転車に飛び乗り、ラストシーンへと繋がります。





 落合先生は、生まれ故郷の小さな村の分教場に先生がいなくなったため、竹早小学校5年3組の担任を辞めて故郷に帰ることにしたという。

 後半は、落合先生が覇悪怒組に宛てて書いた手紙を読む形でストーリーが進みます。

 
 ヒロシ、サトル、ススム、タケオ、ヤスコ。

 先生は、急に生まれ故郷に帰ることになった。君たちに会わずに去るのは非常に辛いが、先生は君たちには安心しておるんだよ。

 君たちはこの1年間、怪人・魔天郎と戦うことによって、人の喜びと悲しみを知った。

 心と体をたくましくして、辛いことがあっても生きる希望を決して捨てない少年に成長した。

 覇悪怒組の諸君、先生はいつの日か、また君たちに会うことを楽しみにしているぞ。

 さらばだ諸君、さらば。さらば。

 





 車内の落合先生の映像を見ると、手の下に魔天郎のストールによく似たものが見えます。

 そして、覇悪怒組と対峙している時の魔天郎の口癖だった「覇悪怒組の諸君」という呼びかけ方と「さらばだ諸君」という言葉。

 また、覇悪怒組のメンバーたちの声が落合先生に届いた後の落合先生の顔つきの変化。そして、電車の上に現れる魔天郎。





 状況証拠をさりげなく散りばめることで、視聴者に「魔天郎の正体は落合先生である」という真実を伝えようとしているのでしょうか。

 あえて結論を示さず、視聴者の判断に委ねようとする作り手の想いが感じられますが、子供だった自分にはそこまで思い至らなかったです。

 ただ、落合先生自らが正体を明かしたわけではないので、“魔天郎の正体はそれぞれの心の中にあらしめよ”ということなのかもしれません――。







 ラストシーンのロケ地



 覇悪怒組と落合先生、魔天郎との別れのシーンのロケ地は、秩父鉄道「大麻生駅」の近くにある大麻生ゴルフ場そばの土手だそうです。

 現在は陸橋が建っていて大きく様変わりしていますが、当時の面影は残っているようです。





 ストリートビューでは、土手を横切っている押切橋という陸橋の上から、覇悪怒組が脇道から土手に出たシーンの場所が確認できます。

 奥に見える建物は、大麻生ゴルフ場です。





 絶賛と感動のコメントの数々 


 今回のYoutubeでの無料配信では、初視聴だった人や35年前にリアルタイム視聴していた人それぞれが、毎週の楽しみにしていたようです。

 中には、本放送時(1987年)に最終回を見逃してしまい、今まで未視聴だった人もいたとか。

 当時子供だった人が大人になってから最終回を再視聴して、(私も含めて) 当時とは違った印象や感動を覚えた人も多かったみたいです。



   


   

   

 
   
   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   


   

   

   

   

   


   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   

   


   


   

   


   

   


   






 覇悪怒組の視聴方法



 覇悪怒組は「東映特撮ファンクラブ(TTFC)」「Amazonプライムビデオ」で視聴できます。

 TTFCは月額960円で見放題。Amazonプライムでは1話ずつのレンタル(110円)ですが、月額499円のマイヒーローに加入すると全話見放題になります。


 TTFCは最新作も含めてすべての特撮作品が視聴可能ですが、マイヒーローは90年代までの作品しか見れないので、用途に応じて選択しましょう。







 編集後記



 子供の頃に最終回を観た時は、魔天郎の正体がはっきりと示されなかったこともあってモヤモヤ感が残り、感動はしませんでした。

 しかし今回、大人になってから改めて観ると、落合先生との別れの切なさと演出の爽快感などが相まって、ちょっとした感動を覚えました。

 また、土手の風景が子供の頃に友だちとよく遊びにいったサイクリングロードに似ていたことから、自由で楽しかった少年時代の思い出が蘇り、懐かしさで一杯になりました。

 




 覇悪怒組の脚本は、江連卓(えづれ・たかし)氏と浦沢義雄氏によって9割方書かれています。

 江連氏は、幼少期に世界の児童文学を読み漁って血沸き肉躍る経験をしたため、「子供たちにもそんな思いをさせてあげたい」という欲求がとても強かったそうです。

 そのため、子供たちを感動させること、それと同時に何か大事なメッセージを伝えることを常に考えていたといいます。

 そんな江連氏なので、最終回の魔天郎と覇悪怒組の朝食シーンと魔天郎が消えるシーンは、最後の晩餐とキリストの昇天をモチーフにしたのかもしれません。





 そういった直球系の江連氏に対して、浦澤氏は不条理ギャグやシュールコメディという変化球を得意としていました。

 “豆板醤婆ぁ”を始めとしたぶっ飛んだキャラクターとカオスな物語を何度も生み出し、毎回、視聴者に混乱と戸惑いを与えました。

 しかし、そういった直球系のオードソックスな脚本と変化球系のカオスな脚本が化学変化を起こして、覇悪怒組という作品の幅を広げたように思います

 今望むのは、覇悪怒組の円盤化と令和の世への覇悪怒組と魔天郎の復活、もしくは新しい少年探偵団の登場ですーー。






【出典】「東映特撮Youtube Official
    「おもいっきり探偵団 覇悪怒組をたずねて


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