カネシゲタカシの野球と漫画☆夢日記

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第二回【マンガの描き方・道具編】~わたくしの場合

2004年12月21日 18時24分47秒 | ☆マンガ・漫画
さて、思ったよりも皆様から興味を持って読んでいただいた「マンガの描き方・道具編」ですが、これはその第二回です。
前回を未読の方は、是非こちらをご覧いただいてからどうぞ。


さて、前回はペンやらインクやらまでいきました。
今回はパソコンでの作画作業を中心にご紹介する予定ですが、もう少しだけ非デジタルな部分をご紹介。

皆さんは「まんが家って、どんな絵でもパッと簡単に描けるんでしょ?」という印象をお持ちではないでしょうか。
もちろんそういう漫画家の方もたくさんおられるでしょうし、僕も人物の簡単な顔やポーズならすぐに描けます。
ただ僕の場合は、例えば「リンゴをむいているところ」とか「携帯電話でしゃべっている時の手の部分」とか「キンケード(笑)が右足を出して当たりに行った場面」などは、やはり実物を見ないとかけません。

そのために机の前には大きな鏡が置いてありまして、ちょっとした表情や手の位置などは、自分でその動きを再現しながら描いていきます。
つまり怒っている人間の顔をうまく描くためには、実際に怒りながら描くわけでして…。
はたから見ているとほとんど狂人ですね。

で、上半身は比較的なんとかなるのですが、全身ともなると鏡に映すのは大変です。
そんなときに便利なのが「ポーズ集」です。



大きな書店や画材屋さんで手に入ります。
ご紹介しているのは、僕が持っている10冊以上あるポーズ集のごく一部。
「学校生活編」とか「制服・ユニフォーム編」とか「子ども編」とかとか、さまざまな種類が発売されていますが値段が少々割高なのがたまに傷。一冊あたり2000~3000円程度します。
また、背景を描く場合にもそれ専用の背景素材集というのがありまして、「街角編」やら「家庭編」やらがあります。

しかしそういった市販のポーズ集・素材集では自分のニーズに追いつかないため、「自作の素材集」というのもありまして。
これは雑誌や新聞などからの切り抜きをでかいノートに貼り付けています。
何年も前からコツコツと作っているものなので、当時読んでいたオリックス球団誌からの切り抜きがなんだか涙をそそります…(イチロー満載)。

他にも作画用の資料としては、木製の「デッサン用人形」などが市販されています。
ただ、「美術用のデッサン人形」よりも秋葉原などで手に入るフィギュアの方が便利です。
要するにいっぱい関節がある、「GIジョー」などのアクション・フィギュアですね。
これの方が、いろいろなポーズをとらせることができますから。

ちなみにこの種の人形の手足は”ありえない角度”にも曲がってくれるので、複雑骨折した人を描く場合にも便利だと思います。

しかし最近はこういった作画用資料を苦労して探さないといけないケースがずいぶんと減ってきました。
なぜならインターネットが普及しているから。
例えば「パトカーってどんなデザインだった?」とか「グリーンウェルってどのツラ下げて阪神に来たんだ?」などと思っても、ネットの画像検索でだいたいは探せます。
昔は図書館に通って資料を探したものですが、ずいぶんと便利になりました。


さて、もう1つだけ非デジタルな部分をご紹介。



マンガ家以外にも製図などで使っている方はおられることでしょう。
トレース台です(このサイズのものなら7~8千円だと思います)。

これは箱の中に蛍光灯が入ってまして、スイッチを入れると光がでます。
基本的な使い方はこの上に複写元となる絵や写真をおいて、さらにその上に白い原稿用紙を置くというもの。
下から強い光があたると「下に置いた原画の線」が「上の紙」まで透けて見えるので、そっくりにトレース(要するに「鉛筆などでなぞってコピー」)できるのです。

昔は漫画の背景のトレースなどに多用していましたが、現在僕がこれを使うのは「左向きの人」を描く時です。

一般に右利きの人は左向きの。
左利きの人は右向きの人間を描くのは苦手だと言われます。
僕ももちろん苦手なわけでして。
よって、以下の方法を用います。

1.原稿用紙を裏返して、トレース台のスイッチを入れ、裏からシャーペンで「右向きの人」を描く。
2.原稿用紙を表向けて、ペン入れする。

これなら簡単です。
ちょっとデッサンが狂う場合もありますが、なるべく気にしないようにします。
ただ、もちろんパソコンに取り込んでから絵を反転させてもOKですよ。
そのあたりは時と場合で。




うーん、なんだか予想よりも長くなったのでパソコン作業編は「第三回」にまわします。
いよいよパソコンが出てくるのか?

【マンガの描き方・道具編】~わたくしの場合

2004年12月21日 06時30分02秒 | ☆マンガ・漫画
2~3日前に当ブログのカテゴリーを整理したのですが、「☆マンガ・漫画」というカテゴリーをほとんど使用していなかったことに今さらながら気付きました。

今日はいつもと少し趣向を変えて、いつもよりえらそうに「漫画家・イラストレーター」として活動する際に使用する道具などを公開していこうかなと思います。

最初に断っておきますが、僕はパソコンを使って作業をするので全てアナログで作業する場合はちょっと違ってきます。
ちなみに僕はどちらも経験しているので、いつ停電になっても安心です。
地球上のパソコンと発電所が全て破壊されてもマンガを描くことができます。
それをどうやって印刷して発表するのかは知りませんが…。

さて”パソコンを使う”といいましても、僕の場合は完成までの全ての工程をパソコンで行うわけではありません。
小さなカット・イラストや四コマ漫画を描く場合以外は以下の手順を踏みます。

1.紙に下書き
2.紙にペン入れ
3.消しゴムをかけてから、原稿をスキャナでパソコンに取り込む
4.フォトショップで仕上げ
5.プリントアウトして具合を確認
6.完成原稿をメールで出版社に送信

基本的にはこんな感じです。
そのつもりでお読みくださいませ。
そして「こいつ何様のつもり?」という不平不満はおさえてください。
お願いします。

【マンガの描き方・道具編】

漫画やイラストというのは、設備投資として最低限「紙」と「ペン」さえあれば、とりあえず誰でも描けます。
“100キン”で全てそろえることも可能です。
もし定規がなければ家にある缶カンの端っこでも使ってください。
白い原稿用紙がなければチラシの裏でも使ってください。

ところが、その道でご飯を食べようと思えばもちろんそういうわけにはいかないわけでして…。




下書き用に使う道具はこれだけです。
たぶん、本当はもっと使わなければいけないのだと思います。
ところが、これで僕には充分なんですよ。

ポイントは「DRAPAS」と書かれた特殊な定規。
これは平行線を何本も描く場合に便利です。
効果線を描く場合はもちろん、枠線を描く場合も便利です。
似たような定規はどこでも売ってますが、透明なものを買ってください。
下の線を見つつ作業するには透明なものが便利だからです。

そして電動消しゴム
あってもなくても良いのですが、手が疲れません。
また「うい~ん」って音と、消す際の「ちゅんっ…ちゅんっ…」って音で歯医者さんになった気分が味わえます。

あとはお好みでシャーペンか鉛筆
濃さは、HBとかBとか、B21スペシャルとか、自分にあったものをお好みで。




さあ、ここからは少し漫画家っぽくなります。
インクとペンですね。



おお、我ながらエエ感じに撮れた写真です。

さて、まずはインクですが基本的には黒ければなんでもいいです。
極論を言えばボールペンでも黒ければOK。
イカスミでも、黒砂糖でも、広島の黒田投手でも、黒い色さえ出ればOKです。
(ちなみに僕がかつて少年ジャンプで賞をいただいた4コマ漫画作品はゲルインク・ボールペンで描きました)

ただ、現在の僕はパイロット社の製図用インクしか使いません。

まず乾きが速いんですね。これが一番の理由です。
あと、はっきりと黒色がでます。
あと、瓶がカッコイイ。

上の写真には黄色いフタの「墨汁」も写っていますが、書き味は良いものの、乾きが遅いのでぼくには不向きです。
ちなみにこの墨汁は4年前ぐらいに購入してから、一度も買い換えてません。まだ6割ぐらい残ってますから。

そしてペンですね。

最近の僕は「Gペン」をメインに使います。
これはやわらかい線を描く時に便利です。
ほぼどんな場面でも使えて便利ですが、冠婚葬祭の贈り物には不向きなのでご注意ください。

いちいちペンの機能と用途を説明すると長くなるので専門書や専門サイトをご覧いただけると幸いです。

あ、ペン軸ですか。
持ちやすければ何でもいいですよ。
僕のペン軸はかなり年季が入ってますが、後ろの部分を切って使っています。
そのほうが小回りがきいて描きやすいんですね。
ちなみに木製のペン軸を切断する場合は「南斗水鳥拳」をおすすめします。
そう、マンガのことはマンガに出てくる技で解決しようということです。

ただ、いちいち南斗水鳥拳の機能と用途を説明すると長くなるので専門書や専門サイトをご覧いただけると幸いです。
ちなみにぼくはナイフなどを使ってペン軸を切断します

修正液ですが、昔は鬼のように使ったものの今ではほとんど使いません。
なぜならペンで描いた線の修正はパソコン上で行うと「あっちゅー間」だからです。






さあ、いよいよパソコンが登場するのでしょうか?
「第2回」に続きます。

追記リンク

■第3回
■第4回は「実践編」