「未だ得ざるを得たると謂い、未だせざるを
証せりと謂えり」 (法華経)
凡夫は、いい加減なところで、分かったつもりでいる。
何もマスター出来ていないのに、出来たと思い込み、
理(コトワリ)を理解していないのに既に悟ったと
思いあがっている者は多い。
目指すレベルは個々人で違っていても仕方はないが
常に「本当に本物をマスター出来たのだろうか」と各々が
自身に問いかけていく事が「理」に近づける唯一の方法
なのでしょう。
人は、何も知らないから、悟ろうとします。
こうした謙虚な反省のこころが常に必要なのでしょう。
閑話休題:打撃の極意
プロ野球のイチロー選手は、終身打率3割をこえている
超一流の選手です。
このイチロー選手が、こんなことを言っています。
「考える労力を惜しむと、前に進むことを止めてしまう」と。
打撃の極意を究めたかに見えるイチロー選手でも、
常に「本当に本物をマスター出来ているのだろうか」と
自身に問いかけていく姿がうかがえます。
また、「人に勝つという価値観では野球をやっていない」とも
言っています。
向上心とは、自身に克つ事であるとの認識があるのでしょう。
無観客 空の座席の 夏帽子
2020.07.03 moai291