電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。
近年、原油価格が高騰していて、当然なのですが、それに連動してガソリンの小売り価格も上がっているのですが、ここに来て更にまた上昇していますね。
地域によって差はあるものの、高い所では1リッターあたりのガソリン価格が180円を超える事態になっていて、さすがに厳しいなぁ・・と思っています。
この事が電動キックボードを含むEV業界全体にとって追い風になるかどうかは分かりませんが、ガソリンに比べて安価な電気と言えども、今のところ結局は油を使って発電するのが主流な訳ですので電気代だってそれに釣られて高騰するわけですからやはり厳しいなぁと感じます。
まあ、価格が上昇しているとは言っても、相場というのは右肩あがりでどこまでも上昇するということは稀です。上下を繰り返して必ずどこかで収束するはずなので、その収束する時期までに内燃機関、電動を問わずに新しい省エネ技術が確立してくれたら良いなと思います。
さて、今回は久々のキックボード型の特定小型原付のAINOHOT SAGA liteを取り上げてみたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。
このモデルなんですが、私個人的にはエントリーモデルの本命のひとつが今回のモデルなんじゃないのかな?と思っています。
何故かと言うと価格が10万円を切っているにも関わらずに実に良質な印象があるからです。
これは真っ先に言えることなんですが、特徴的なのがフレームです。デッキとハンドルポストを繋ぐ部分が肉抜きになっていてしかもトラス構造なんですよ。
トラス構造とはなんぞや?と思う人もいると思いますので簡単に説明すると三角形の構造物ということです。
何でそれが良いのか?ということなのですが、ダンボール箱が丈夫な理由と一緒です。ダンボールってその断面を見て頂くと分かるかとは思いますが、三角形の連続なんですね。
三角形は平らな部分を下に置いて尖った山の部分から力を加えると丁度2方向に力を分散してくれます。それが連続して集合しているとなると構造物全体に均等に力を分散してくれるというわけです。
また、先ほど肉抜きになっているとも言いましたが、同じ寸法で無垢の素材、すなわち金属の塊と中空、すなわち肉抜きされている素材とではどちらのほうが強いかと言えば中空の方に分があります。
イメージ的には金属の塊のほうが頑丈そうなのですが、それは球体や正方形の物の話であって、長さが長くなるものほど中空のほうが頑丈というか曲がりにくくなります。
重くて曲がりやすい物と軽くて丈夫な物だったらどちらが良いのかは誰しもが察し得ることだとは思います。
で、軽いと言えば今回のモデルは17kgとこれは十分に軽い部類に入るとは思います。
フレームの材質にアルミよりも更に軽いマグネシウム合金を採用することで軽さと強度の両立を実現しているとは思いますが、それでも軽いモデルで有名なES1proよりも3.2kgほど重いです。
ですが、そもそも今のところ輪行など人間が持ち歩いてこなせるほどの軽さのモデルは無く、持ち運ぶのは家からの出し入れや車からの出し入れという程度に限られるとは思うので3.2kgの差は有って無いような物と考えても良いんじゃないのかな?とは思いますし、重量の分、強度や走行安定性が勝っているとなればそれはそれだと思います。
重さだけではなくサイズについても車に積み込む事に関して特に問題になるようなことは無いんじゃないのかな?とは思います。このモデルの全長は展開時と折り畳み時共に1086mmと電動キックボードの中でも短めのほうです。
以前、この番組で何度かお伝えしたことなんですが、折り畳み時の全長が1200mmを超えてくると軽自動車なんかのコンパクトな車の後部座席の足元など車幅方向に対して真っ直ぐに積むのが厳しくなってきます。
全長を短くできる要因のひとつに後部のサスペンションが有るか無いかという事も挙げられるのですが、今回のモデルは前後共にサスは無いようです。
サスはあったほうが当然の事ながら乗り心地の面では有利なのですが、今回のモデルのような軽量、コンパクトに徹したモデルであるのなら思い切って省略してしまうのも有りだとは思います。
また、タイヤについても今回のモデルでは採用しているタイヤが発泡ウレタン製のノーパンクタイヤなのですが、これも乗り心地という面では空気入りのタイヤのほうが良いのですが、エアタイヤは常にパンクという心配がやはり付きものにはなります。
メンテナンスフリーか、走りの良さかのどちらかを選ぶかは好みや用途によって分かれてくるところだとは思います。
そう言えば、今回のモデルは同じ発売元の別のエントリーモデルのS07とは打って変わってスロットルは親指で押すというタイプの物になっています。
S07はオートバイと同じような回すタイプの物なのですが、回すタイプの物についてはいろいろと評価が分かれるようで、自転車趣味の人は押すタイプを好みオートバイ趣味の人は回すタイプを好むようです。
それではごきげんよう~