電動キックボードMEISYA列伝

電動キックボードなどの特定小型原付全般のブログです。
毎回、少しマニアックな視点で書いています。

電動キックボードMEISYA列伝 #24 VELMO SPARK

2024-10-13 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

おかげさまでこのブログも今回で一周年を迎えることができました。

 

電動キックボードという世間からの嫌われ者をテーマに取り上げたブログがここまで続けられたというのは一重に読者の皆様の暖かいご支持があってこそのことです。深く御礼を申し上げます。

 

この一年を振り返って見ると番組を始めた当初はほとんどの車種が発売の延期につぐ延期でマトモに買える車種は殆ど無いという状況でした。

 

番組開始から半年くらい経ったあたりから発売を延期していた車種のほぼすべてが出揃って、さらには全くの新しい車種の発表もいくつかあったりもしたのですが、今では逆に電動キックボードの新車種の発表が無いという状況にもなって来ています。

 

そんなわけで一周年という節目というわけでも無いのですが、今回は久々の非電動キックボード型の特定小型原付のVELMO SPARKを取り上げて行きたいと思います。最後までお付き合い頂ければと思います。

 

私の個人的な感想にはなるのですが、この車種をはじめて見た時にどこか懐かしいなぁ・・と思いました。

 

なんか、昔のモペットタイプのオートバイを思わせるような感じで、昭和30年代、オートバイメーカーが群雄割拠していた頃、今は無きどこかのメーカーから発売されていたバイクを彷彿させるような・・といった感じです。

 

一見すると鉄製のモナカ構造にも見えるようなフレームがその要因なのですが、今回の車種は実際には一体成形のマグネシウム合金のフレームです。

 

勿論、今回の車種は電気で動く現代の全く新しい乗り物で、キーロックの解除も鍵ではなくカードのタッチでピッ!と解除と現代的なのですが、見た目と装備のギャップはまるで現行のホンダスーパーカブに通じる所があるような・・と思うのです。

 

今回の車種はタイヤサイズが14インチで見た目的にも普通のオートバイと差が無いといった具合なので、走ることに関しては特に心配する所は無いんじゃないのかな?と思います。でも、電動のマイクロモビリティーの特権とも言える折りたたみ機構が無いというのが最大のデメリットにはなるかな?と思います。

 

折り畳めないと言うことは、公共の交通機関での輪行はほぼ、不可能ですし、車に積むにしたって積める車は限られてくる筈です。

 

ちなみに今回の車種はカタログ寸法で全長が1330mmで全幅が560mmで高さが1030mmです。

 

このサイズというのは全長と全幅はホンダの50ccのモンキーより一回り小さい反面、高さ寸法だけはモンキーよりも200mm程度高くなります。

 

少なくとも例えばダイハツのタントとかと言った所謂、軽スーパーハイトワゴン位の車内空間が無いと積むのは相当厳しいんじゃないかな?と思います。

折り畳めないのがデメリットという反面、逆に今回の車種はこれがメリットだったりもします。

 

折りたたみ機構を付けるということはその部分の強度はどうしても低下しますし、剛性も低下してしまうのです。

 

また、実際に利用する人が折り畳み機構を使うかどうか?ということも肝心な所です。

 

一時期、折りたたみ自転車が流行りましたが、実際に折り畳む人というのは殆ど居なくて後に小径タイヤなんだけど折りたたみ機構の無い所謂、ミニベロが主流になって行きました。

 

実際にどれほど使われるかどうか分からない物にコストを掛ける位だったらその分は省いてしまった方が合理的と言えば合理的です。

 

あと、今回の車種は重量が33kgと特定小型原付というカテゴリーの中では重い部類です。ですが、可搬性という概念を捨てたのであればこれもメリットです。

 

今回の車種は人間が乗った状態での重心が普通のオートバイと同等の位置ですので、車重が重いほうが走行安定性には寄与するとは思います。

 

ただ、反面で車重が重くなると今度はそれに見合った性能のブレーキが必要になるのですが、今回の車種では前後共にドラムブレーキを採用しています。

 

人によってはディスクのほうが良いと言うかもしれませんが、最高速度が20kmということを考えるとドラムで十分に事は足りると思います。

 

それから今回の車種は以前、紹介した車種のswift house K1と同様に今回の車種もマグネシウム合金フレームです。

 

マグネシウムという材質はアルミよりも軽いのですが、基本的に腐食しやすい材質であるというのが注意点です。

 

日頃から車体をよくチェックして腐食箇所を見つけたらその部分を磨いて塗装するなどの対処を早めにしたほうが良いです。

 

ですが、マグネシウム合金フレームというのはオートバイなど他の乗り物で採用している例はほぼ皆無なので、これも特定小型原付というジャンルの特権とも見て取れるんじゃないかな?と思います。

 

ちなみに価格はと言うと、22万2千3百円です。額面だけ見れば高価なのですが、オートバイ型の特定小型原付の中であればまあ、普通の金額です。高い物になると20万円台の後半という物もありますし、30万円を超えるモデルも存在します。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #23 LIBERIDE CITY PRO

2024-09-22 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

最近、電動キックボードの新機種の発表がめっきり少なくなり、正直に言うとネタに困り気味です。去る9月2日付けで発表の性能等確認試験の合格リストの中でもスクータータイプの物が多くなり、特定小型原付の主流は確実に電動キックボードでは無くなっているような印象も受けます。

 

まあ、実生活において特定原付を使用するにあたってはスクータータイプや自転車型などの非電動キックボード型の方が圧倒的に使い勝手が良いのは当然です。

 

しかしながら、キックボード型にも利点はあって、部屋の中にも持ち運べるなどの可搬性に優れているということだと思います。

 

雨風が防げるガレージが無い場合は戸建てや集合などの住宅の種類を問わずに保管場所に困るものです。

 

雨風が完全に防げなければ車体の寿命はやはり縮まる物です。

 

さて、今回はLIBERAIDE CITY PROを取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂ければと思います。

 

先ほど、雨風がどうのとは言いましたが、このモデルは防水性能が極めて高いというのが最も特筆するべき点かな?とは思います。IPX7という防水性能を備えていて豪雨の中での使用にも耐えるようです。

 

今回のモデルは沖縄の業者から発売されているのですが、沖縄という所は突然スコールに見舞われたりする所です。

 

乗った時は快晴でも突然、バケツをひっくり返したような雨に打たれるのが珍しく無いという土地柄です。

 

そう考えると今回の車種は風土に適した仕様と言っても良いのかな?と思います。

 

また、この車種はレンタルとしての用途を割と全面に押し出しているような印象を公式のサイトから読み取れるのですが、私の個人的な感想としてはそれに見合って車体全体から堅牢なオーラが出ているという印象も受けます。

 

タイヤの設定もレンタル用途を意識してなのか、フォームタイヤというタイヤを採用しています。これは、空気を入れないタイプのタイヤで、ただのゴムの塊のタイヤである所謂、ソリッドタイヤの改良版です。これはタイヤの側面に穴を開けることでただのゴムの塊のタイヤよりもショックの吸収性が良くなります。

 

しかしながら、空気が入っているタイヤに比べるとゴムだけのタイヤではどうあがいても走りは悪くなるものです。ですが、ソリッドタイヤはパンクをすることは無いし、空気圧の管理というメンテナンスの手間が省けるということを考えると特にレンタル用途には相性が良いんじゃ無いかな?とは思います。

あと、この車種は各部のジオメトリーが絶妙にバランス良くまとまっているという印象も受けます。

 

どういうことかというと、ホイールベースが十分にあって、適度にキャスター角が付いていて、ステアリングのオフセットが取ってあってそれでいてトレール量が確保されているという事です。

 

それら各部の詳細は他の電動キックボードと同様に公式では未発表なので、このブログでお馴染みの推定寸法にはなるのですが、ホイールベースは850mm程度のようで、キャスター角は約15°のようで、ステアオフセットが15mm程のようで、トレール量が12.6mm程のようです。

 

他にはブレーキは前後でドラムを採用しているということなのですが、これは電動キックボードにおいては意外と珍しいことで、私個人的にはドラムブレーキのほうが好みだったりもします。

 

電動キックボードで使われるディスクブレーキというのは制動性能そのものは非常によろしいのですが、フィーリングに癖がある物がほとんどで、大半が所謂、カックンブレーキなんですよ。

 

特定小型原付枠であれば時速は20km/hが上限という世界ですので、私個人の感想としてはディスクブレーキというのはいささかオーバースペックという印象を受けます。

 

まあ、この事に関しては賛否両論が多分あるとは思いますし、第一に車体の設計上、ディスクブレーキしか採用できないというケースもあると思います。どこぞの個人の乗り物好きの戯言として片づけていただけるとありがたいです。

 

最後に今回のモデルは価格が27万5千円と電動キックボードの中では正直、高額です。購入を検討する人にとってはそこが最大のネックになるとは思いますが、その価格に見合った耐久性を備えているのであればトータル的に考えた場合、決して高い物では無いとは思います。

 

また、価格を除けば性能的には申し分が無いと思えるので穴場的な車種とも言えると思います。

 

誰も乗っていない車種に乗りたい人には持ってこいだと思いますし、電動キックボードの歴史を振り返った時にはきっとレアな一台にはなるかと思います。ですが、電動キックボードが世間から嫌われている現状と今現在、電動キックボードを利用している人達の趣向を照らし合わせると余りにも非現実的な考えだというのは承知の上です。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #22 exs1TKG

2024-09-01 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。

 

暑い日がまだまだ続きますが、空の色はすっかり秋の様相を示してきました。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

秋と言えば巷ではよく、ツーリングの秋とかと言ったりもしますが、私個人的にはそれに少しの疑問を抱いていまして、秋って本当にツーリングに適しているとはとてもじゃないけど思えないんですよ。

 

何故かと言うと真っ先には台風です。折角、ツーリングの計画を立てたとしてもその日に台風が直撃なんてこともしばしばで、一人きりの日帰りツーリングだったら日程を延期すれば良いのですが、グループでのツーリングや宿を取っている場合となると関係する人すべての日程を簡単に変更するというわけにもいかないんですよ。

 

更には秋は日が短いです。ツーリングというのは薄暗くなる前には宿に到着か帰宅というのが安全を考えた上では理想となるので、どうしても行動範囲も狭くなりがちです。

 

私が思うにツーリングというのは、日も長く、あまり寒くも無く、台風とは無縁の梅雨入り直前くらいが一番理想なんじゃないのかな?って思います。

 

まあ、このブログは電動キックボードをメインとしていますので、そういった距離を走るツーリングというのはあまり関係が無い事なのですが、乗るに適した時期とそうでない時期というのは電動キックボードもだいたいはオートバイと同じなんじゃないのかな?って思います。

 

さて、今回はこのブログでは久々のエントリーモデルのexs1TKGを取り上げていきたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。

 

先ほど久々のエントリーモデルとは言いましたが、このモデルの最大の魅力はなんと言っても価格が安いということだけではなく、装備もしっかりしているという点だと思います。

 

今回のモデルはエントリーモデルの代表格のES1PROと基本的にはそっくりで、価格もほぼ同じなのですが、今回のモデルの場合はリアにもサスペンションが付いているんですね。

 

例えおまけのようなサスペンションでもそれが有ると無いとではやはり違いがあって、乗り味がどうのというのは勿論なのですが、機械的な部分の保護という意味でも特別な理由が無い限りはやっぱりサスはあったほうがよろしいんじゃないかな?とは思います。

 

あと、今回のモデルは前後に独立したウインカーランプがあるというのも良い点だと思います。

電動キックボードの多くはデザイン性の向上という目的とコスト上の関係もあってなのか、ウインカーランプはハンドルのバーエンドに付いているという物が多く、モデルによっては最高速度表示灯までウインカーと兼用という物もあります。

 

ハンドルのバーエンドにランプを付けた場合、対向車からの視認性はさほど問題は無いのですが、後続車からの視認性については疑問があったりもします。

 

何故かと言うと、見る角度によっては折角のランプが体に隠れてしまいやすいんですよ。

 

今回のモデルのように最初から見やすい位置に付いていれば他人から見落とされるということも減るんじゃないかな?とは思います。

 

あと、リヤサスが付いているにも関わらずに車体全長が1100mmとコンパクトなのも良いですね。ライバル車種に当たるであろうES1PROが車体全長1080mmですから、サスを付けてもわずか20mmしか伸びてないということです。つまり両者の車格はほぼ同等と言っても良いかと思います。

 

そう言えば、今回の車種はクラウドファンディングにて資金を集めたのですが、出資後に販売証明書だけが送られてきて、先に役所での登録と自賠責保険に加入。そしてそれらを証明する書類を提出。確認後にようやく商品を発送するという謎のスタイルを取っていましたが、諸々の事情により発送が大幅に遅延したために多くの批判がありました。

 

簡単に言うと、手元に車体が無いのに保険の加入と納税の義務が発生するという状態になるわけです。

 

まあ、特定小型原付は制度の開始前から法令遵守という観点で相当、物議を醸していたわけですから、今回の車種が当初、そのような方法を取っていたという背景も分からないわけではありません。ちなみに今現在ではそうした方法は取らずに普通に買えるようです。

 

そう言えばこのモデルは元々、一般原付の電動キックボードとして発表されていた物で特定小型原付モデルはTKGという名が追加されています。

 

で、そのTKGというのは特定小型原付をローマ字書きしたときの頭文字を取ったもののようなのですが、これにはトリビアっぽいエピソードがあって、これを名付けたのは今回のモデルを取り扱うカスタムジャパンでは無く、とあるバイク屋さんの店員だったようです。

 

そのバイク屋さんの動画の中で特定小型原付、略してTKGと言ったことが一部の間で広まって今回のモデルではそれをそのまま採用するという形になったようです。

 

電動キックボードや特定小型原付界隈はまだまだ狭い世界なのですが、こうしてある意味口コミみたいな感覚で小さなことが広まっていったというのは私個人的には面白いなと思います。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #21 Segway-Ninebot D-AIR D-28J2

2024-08-11 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。

 

いや~。オリンピックということもあってか毎日寝不足だったって言う人も多いんじゃないかな?って思います。

 

で、オリンピックがパリだったということもあって思い出した事があるのですが、そういえばパリって住民投票でレンタルのキックボードが禁止になった街でもあるんですよね。

 

禁止になった理由というのは至極、簡単な理由で、マナーが著しく悪かったからです。

 

ちなみにフランスでのルールは日本と同様に運転免許はいらないのですが、違う点は年齢制限であちらは18歳以上です。また、厳密に言うと向こうでは電動キックボードというものはそもそも私有地での使用のみに限られていた物であって、公道での使用はどうやら黙認されていたようです。

 

また、余談なのですが、フランスではキックボードはトロッティネットと呼ばれているようです。世界的に電動キックボードはe-scooter又はe-scootと呼ばれているようで、電動キックボードと呼ぶのは日本だけです。

 

日本での電動キックボードはフランスとなんだかそっくりなような気もします。

 

先ほども触れましたが、パリ市内でのレンタル電動キックボードの使用が住民投票によって廃止となったわけなのですが、日本国内でも同じ動き若しくは似たような動きにならないよう電動キックボードの運転者は気を配って頂きたいと私は思っています。

 

折角、認められた権利を無駄にしてしまうのは本当に勿体の無いことです。

 

さて、今回はセグウェイブランドのD-AIR D-28J2を取り上げていきたいと思います。最後までお付き合い頂ければと思います。

 

このモデル。珍しいことに濡れた路面での性能を結構と全面に押し出しているというモデルなんですよ。

 

特にタイヤの性能がウェットな路面に強いとのことなのですが、そうしたタイヤを履かせている電動キックボードというのは他にはあまり無いというかほぼ無いんじゃ無いかな?と思います。

 

濡れた路面でも滑らないタイヤという物はどういう物なのかと言うのを簡単に説明すると単に溝が切ってあるタイヤです。

 

要はタイヤに切ってある溝が路面の水を路面とタイヤの外に逃がしてくれるんですね。

つまりは滑る原因となる水を減らして摩擦をできるだけ確保しようというわけです。

 

こういったことは通常、タイヤメーカーの宣伝文句であって車両そのもので宣伝をするというのは本当に珍しいことだと私は思います。

で、このモデルは防水性能も高いようなのですが、注意書きをよく読むと雨の中の走行は避けて下さいと書かれていたりもするんですね。

 

まあ、電気で動く乗り物なわけですから雨は厳禁であることは至極当然なわけです。

 

とは言ってもある程度の防水性能を謳っているので、多少の雨くらいだったら走っても問題ないかとは思います。ですが、その辺の判断は各自の自己責任ということでお願いしたいと思います。

 

他にはこのモデルはモーターの長寿命を謳っていますね。これは簡単に言うと精度が高くてガタが出にくいモーターを採用しているということだとは思いますが、例え宣伝上の文句であったとしてもそのことに触れるということ自体がとても重要なことだと思うんですよ。

 

電動キックボードとかの電気で動くマイクロモビリティではとかく定格出力の数値だけが着目されているようにも思えますが、そもそもその数値というのは設計上の数値なのか実機をテストしての数値なのかが正直わからないんですよ。

 

例え設計上は高い数値を叩き出していたとしても摩擦などで発生するエネルギーの損失が多いようでは実際には設計上の数値なんて出ませんし、著しくひどい場合はモーターが焼けたりして短期間でダメになったりするわけです。

 

電動キックボードをはじめとした電動の乗り物がエコロジーな乗り物という位置づけであるのなら、まずは高出力化をする前にロスを徹底的に減らしていくという設計思想のほうがあくまで私個人的になのですが本来あるべき姿なのではないかと思います。

 

最後に、このモデルはセグウェイという名が付いている割には特別感が無いなぁというのがあくまでも私の超個人的な感想です。

 

まあ、世界をアッと驚かせた並行二輪車のセグウェイがあまりにもエポックメイキングすぎたのであれを凌駕するモデルを出せ!というのも現実的な話ではありませんし、仮に世間がこれまたアッと驚くような電動キックボードをセグウェイが作ったとしても今度は価格が気になるところです。

 

あれほど世界で注目を浴びた並行二輪セグウェイが消えていった理由のひとつが価格の高さだったとは思うのですが、安い車が一台買える値段での電動キックボードがあったとしたなら多分、並行二輪セグウェイと行く末は同じだとは思うんですよ。

 

でも、乗り物マニアという観点から言うと、例え目玉の飛び出るような価格だったとしても世界がアッと驚くような電動キックボードをセグウェイが発表というニュースが流れる日を待ち望んでいたいという気もします。

 

それではごきげんよう~


電動キックボードMEISYA列伝 #20 Hillstone od 608

2024-07-28 00:00:00 | 日記

電動キックボードMEISYA列伝の執筆者のmojyaoです。

 

今回はこのブログとしては久々の前輪駆動モデルのHillstone od608を取り上げて生きたいと思います。最後までお付き合いいただければと思います。

 

そういえば以前、このブログで乗り物は基本的に後輪駆動が理想的なんだけど、前輪駆動は前輪駆動でそれまたメリットがあるというようなことを言ったことがあるのですが、書くと結構、長くなるので詳しいことはまたの機会にと言ってそのままだったんですよ。

 

いつか取り上げないといけないな・・とは頭の片隅にはずっとあったのですが、後輪駆動のキックボードに比べれば前輪駆動のキックボードというのは少数派なのでなかなか機会に恵まれなかったんですよ。

 

そんなわけで今回はいつもと少し違って、取り上げるモデルがどうのって言う前に乗り物全般での前輪駆動のメリットとデメリットはなんなのか?ということについて先ずは触れていきたいと思うのですが、まずメリットで真っ先に思い付くのが後輪駆動に比べれば前から車体を引っ張るという点で前輪駆動のほうが直進安定性には有利ということですね。

 

このことは台車を後ろから押すのと前から引っ張るのとではどちらのほうが安定して真っ直ぐ走れるかということと理屈は同じで多分、多くの人は前から引っ張るほうが行きたい方向に安定して進めると言うとは思うんですよ。

 

あと、燃費の面でも前輪駆動のほうが後輪駆動よりも有利になるという傾向があります。これも台車を押すのが楽なのか引くのが楽なのかということと同じ理屈です。

 

で、このブログでも何度も言ってきたことなのですが、乗り物という物はどこかが良くなればどこかが必ず悪くなるというトレードオフの関係に成り立っている物です。

 

反面のデメリットで真っ先に思い付くのはハンドリングが後輪駆動に比べて悪いと言う事です。

 

一概には言い切れませんが、前輪駆動車でトレール量が多い車体ほどハンドリングの悪さは目立つと思います。

 

トレール量があるということはハンドルの復元力があるということで、人によってはセルフステアがあると言ったほうがピンと来るかと思います。どちらの意味も分からないという人の為に別の言い方をすると、タイヤのほうからハンドルを真っ直ぐに戻してくるということです。それが駆動輪で発生するとなると力がさらに大きくなり、曲がりにくい、若しくは曲がらないという事に繋がるのです。

 

この事が前輪駆動車は特にアンダーステアリングの傾向が強いと言われる所以の一つなのです。ちなみにアンダーステアリングというのは、ハンドルの切れ角を一定に保った状態でスロットルを開けていくと徐々に旋回ラインが外側に膨らんでいくということです。

余談なのですが、昔、走り屋なんかがコーナーを曲がりきれなかった時によく「アンダーが出た!」とかと言ったりもしましたが、それはただ単に曲がれないスピードでコーナーに突っ込んでいるだけです。そもそもアンダーとかオーバーとかと言ったステアリング特性というのは車体そのものに備わっている特性なので自分の都合に合わせて変わったりはしません。

 

また、走り屋なんかの乗り物マニアの間ではドリフトなんかをしたりする関係上、アンダーステアを嫌う傾向があるように見受けられるのですが、普通に走る人にとってはステアリング特性はアンダーのほうが扱いやすくて良いとは思います。

 

アンダーの反対のオーバーステアの場合、旋回ラインの内側に巻き込んでいくようになり、極端を言えば最後はスピンをしてしまうのです。

 

他にはフロントタイヤの減りが早いというのも前輪駆動のデメリットとしては挙げられます。後輪駆動の場合、前輪は操舵を担当、後輪は駆動を担当とそれぞれ役割分担があるのですが、前輪駆動の場合は前輪だけが仕事をしていて後輪はただ付いてきているだけなのです。

 

予め断っておきますが、この事はあくまでも前後の重さが均等に近い場合の話であって、前後のどちらかが極端に重かったりする場合はこの限りではありません。

 

それから前輪駆動は加速の面では後輪駆動に比べて若干、不利となる傾向があります。これは加速をする時は車体の後ろ側に荷重がかかるために前輪の摩擦が少なくなるからです。ちなみに、前輪駆動の車種の中でフロントにバッテリーを搭載して前を重くしている物もありますが、重量配分を考えての事なのか、単にバッテリー搭載スペースの問題なのかは正直不明です。

 

さて、ここにきてようやく今回のモデルについて語るのですが、正直言うとこのモデルはコレと言った特徴には乏しいというのがホンネです。が、ひとつ挙げるとすればやはり、直進時の性能は高いかな?ということです。これはトレール量が多く、ホイールベースも長いということがその理由なのですが、トレール量は推定値で22mmのようで、しかもこのモデルは前輪駆動です。同じ数値の後輪駆動車よりも直進性能の高さを実感できるとは思います。また、それに加えてホイールベースも推定値で915mmと長いので走りは勿論の事、乗っていて窮屈ということもないかと思います。

 

それではごきげんよう~