屋久島木工木育デザイン ymmdesign

木とふれあい、木に学び、木と生きる
屋久島で木育インストラクターはじめました

杉の時計づくり その5

2021-03-01 06:55:30 | 木工品

いよいよ組み立てです。

 

まずは、接着剤を付けずに、台板にムーブメントと留め切りしたフレーム角材を取り付けて仮組み ↓

 

家具作りでもそうですが、接着する前にはできる範囲の仮組みをするようにしています。

加工では、図面を何度も見ながら、細心の注意を払い、間違いがないように製作を進めています。

 

ですが、定規などのメモリの読み間違えで墨付けをし、そのまま加工してしまい、

本番の組み立ての時になって初めて気づくという、若かりし頃のとても苦い経験をして以来、仮組み確認は欠かせません。

 

で、今回時計の仮組みをして気がついたことが・・・

フレームを台板にはめ込むのが、結構きつくて、かたい!

 

木育という観点で、この杉の時計は、ふるさとの杉材を使い、自分の手で組み立てて、

その杉の感触、色や木目模様、香りなど、手に取る時間が長ければ長いほど、

木とのふれあいも深まり、情操教育につなげていくという狙いがあったのです。

ですので、理想は組み立てキッド品として、子どもたちの手で組み立ててもらいたかったのですが・・・

 

これでは難しい!

まあ、仕方がないとして、こうなったら、もうこちらで組み立ててしまいましょう。

こういうところは木育インストラクターとしてはまだまだ板についていません。

木工職人としての血が騒いでしまうのです。

 

さあ、本番の組み立て開始!

フレームはボンドで接着 ↑

 

ボンドをつけているときに気がついたのですが、

写真のようにボンドをかなりの量をドボドボにつけています。

 

この四角板の木目の上と下側は木口といって、木の繊維の切断面。

木には繊維状に道管がありまして、この道管とは、根から吸い上げた水分や栄養などを送るためのチューブみたいなものです。

イメージでいうと、ストローを束にした感じ。

ここにボンドを塗るとすごく吸い込むのです。

薄く塗った場合、10秒くらいで乾いてしまいます(個体差はありますが)。

乾燥した木材ほど吸い込みは早く、湿った木材は遅くなります。

 

ボンドの乾いた接着面はひっつきません。

ですので、吸い込み量を考慮してボンドを厚く塗っているのです。

 

とここまで説明したのでおわかりだと思うのですが、

こういう経験値からくる勘所みたいなものを、説明だけで子どもたちに伝えるのは難しいですね。

実際に、木工体験教室で手取り足取り、やって見せて教えるのはできると思うのですが・・・

 

次にもう一つ、直角を出すこと・・・

 

組んだ後、直角になっているかどうか、写真のスコヤという直角定規で確認します。

もし歪んでいて、修正する場合は、ボンドが乾かないうちに手早く!

 

これも実際にやってみたら、簡単ではありません。

多少の歪みはわかる人にはすぐにわかります。

また、わからなくても、視覚的になんとなく違和感をかんじることがあるかもしれません。

 

うーん、こういうシビアなことを言い出したらキリがありませんね。

木育からどんどん離れていくようです。

正確な完成品をつくることが木育ではありません。

 

そもそもこの杉の時計の設計は、子どもが組み立てるにはマッチしていないことが判明。

もし今後、同じような機会があった場合は、木工職人でなく木育インストラクターとしての視線から設計を心がけるようにしましょう。

 

長くなりましたので、その6 へつづく

 

 


 

 

福島木工家具店

オーダー・造作家具 木製品設計製作

〒891-4404 鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間752

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T/F :  0997-47-2695

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