今日のテーマは「木育のはじまり」
木育は、いつどのように始まって、今はどのような普及活動がされているのか、
木育インストラクター養成講座資料などを引用しながら紹介していきます。
私自身、木育というのを知ったのは7〜8年前、インターネット上で見たのが最初です。
当時家具づくりが主でしたが、積み木など、子ども向け木製品をつくってみようということで、
そこで初めて目にした木育という言葉には、なぜかそれほど関心が湧きませんでした。
というのも、流行と思われる造語や横文字などには、一過性のブームのものが多く、
失礼な言い方になってしまいますが、今回も同様に流行り廃っていくものと思っていたからです。
でも、私の予想は見事に外れ、廃っていくどころか、うれしいことに堅実に成長していました。
それでは、テーマにもどって紹介していきます。
■ 木育のはじまり
木材の良さやその利用の意義を学ぶ教育活動「木育」は2004年に北海道で産声をあげ、
2006年に国会において閣議決定され、国民運動としての木育活動がスタートしました。
木育がはじまるには、それなりの下地がありました。
広大な土地に恵まれている北海道は農産物自給率が高いので有名ですが、
野山には広葉樹が多く自生しており、それを利活用した木工が昔から盛んで、
近年では官民一体となった取り組みもあり、先進的な木工の地場産業ができているところです。
全国では、1990年代から環境ブームが起こりました。
[1990年代から2000年初頭の動き]
- 持続可能な森林経営(1990年代)
- 地球温暖化・気候変動問題 京都議定書(COP3 1997年)
- 環境教育・森林環境教育・森林ボランティア・森林インストラクター(1991年〜)
- 木づかい運動(2005年〜林野庁)
- 愛知万博 愛・地球博 (2005年)
1990年代といえば、私が大学生から社会人となった頃です。
アウトドアがファッショナブルに洗練されていく先駆けの時代でもありましたね。
もともと自然好きであった(と思う)私もアウトドア情報誌「BE-PAL」など愛読し、
ごく一般的にこのブームにのっかっていきました。
当時の親しい仲間内で、「SSK」という名前をつけて、週末に野山を駆け回りアウトドアしていたのを思い出します。
ちなみに SSK というのは、S 自然と S 親しむ K 会 の略です。
パジェロとかレガシーとか4駆のSUVもよく売れていました。
こういった見た目のブームを経験したのちに、もっと深く本質的な部分に興味を持ちはじめ、
アウトドア遊びも、ソロでの山登りや沢歩きなどのストイックな方向へ進んでいきました。
今までは仲間と楽しく自然を利用していたのですが、一人で奥深い山に入ってみると、
自然のうつくしさ、厳しさ、その空気感を肌で知るようになり、
自然の世界では何か精妙なモノが、ある秩序みたいモノが、連綿と在ってあり続けているような気がして、
その世界に踏み込むには、いままでの遊び感覚ではいけないと思うようになりました。
もっと自然のことが、もっと山のことが、もっと森のことが知りたくなり、森林インストラクターなど森の勉強をしました。
屋久島へ移住したのも、その自然の魅力に惹かれたからです。
話が私事に脱線してしまいました。
2006年の国会閣議決定を受けて、林野庁は翌年、「木育推進体制整備総合委員会」を設置
木育活動促進助成事業の公募が始まり、国の政策の一つとして公にはじまる
- 2008年 埼玉県、島根県、北海道の全国3カ所において講習会
- 2009年 埼玉県、島根県の2カ所で木育インストラクター研修会の開催
- 2010年 木育マイスター育成研修の開始(北海道庁)
- 2011年 東京おもちゃ美術館内にあかちゃん木育広場が開設 ウッドスタート事業始まる
- 2012年 全国の木材加工会社約30社でつくる「木育全国生産者協議会」が発足
- 2014年 第1回木育サミット(東京)が開催される (主催 NPO法人日本グット・トイ委員会)
- 2016年 第1回木育・森育楽会が開催される(主催 木育・森育楽会実行委員会)
- 2020年 第7回木育サミット(新木場)開催 (全国で7カ所目の開催となりました)
- 2020年 鹿児島県で 第1回木育インストラクター養成講習会 主催(一社)鹿児島県林材協会連合会
一年一年、着実に木育が全国的に認知され、広がっていることが見てとれます。
■ 鹿児島県でいよいよ木育事業スタート!
鹿児島県では、みんなの森づくり県民税をつかって公募事業を行ってきました。
この中に、木とふれあう環境づくり推進事業というものがあり、
杉などの県産材を積極的に活用し、多くの人たちに木造施設や木製品に触れてもらうのが目的となっています。
ここに、今年初めて「木育環境の整備」という項目が入りました!
【募集概要】未就学児や小学生等が使用する県産材を積極的に活用した机・いすや教育資材等を整備する取組
今年度の募集は終了しましたが、この先5年続く事業となっています。
前回のブログで紹介した、木育インストラクターについても上記の木育環境整備の一環としてスタートしたと思われます。
鹿児島県にとって2020年は、「木育元年」と呼べる記念すべき年となりました。
地域産材を使った木工を営む私にとっては大変うれしい年でワクワクしています。
拙い文章ですが、これからも木育普及のために、このブログで色々なことを発信していこうと思いますのでよろしくお願いします。
福島木工家具店
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