気がついたら私の目の前にはこんなものが置かれていた。

いつも(というか昨日)と違うのはトッピングだ。
「これは『スタミナベース』ってやつでは・・・。」
危険と感じる心とは裏腹に、手は箸を持ち、口は麺をすすり始めていた。
いや、危険と感じたからこそ本能が「こいつを駆逐せよ」と身体に命令したのかもしれない。
見る見る間に細いやつらは目の前から姿を消し、白い海に肉と玉子だけが残る。
するとやつらは全滅しようとしたまさにその瞬間に、最初の量まで一気に増殖した。
「な、なんてことだ・・・。」

「これが替え玉ってやつか・・・。」
しかし、私の身体はひるむことなく細いやつらを再び駆逐し始めた。
「こいつらのせいかもしれない。」
先ほど残した肉や玉子も同時に駆逐することにした。
意外にとんこつスープに豚のしょうが焼きは合う。
そして卵は、濃厚なとんこつとあまじょっぱいしょうが焼きをまろやかにしてくれる。
ラーメンだれはスタミナベースには不要だろう。豚のしょうが焼きが味を加えてくれるからだ。
できるなら最初はしょうが焼きのない部分から細いやつらをすするのがお勧めだ。
その方が味の変化を楽しめる。玉子も同様だ。
幸いにもそれ以降細いやつらが増殖することはなかった。
私は細いやつらの駆逐を完了し、この地を脱出することに成功した。
この地を出ようとしたとき、土地の管理者と思われる男の声が聞こえる。
「スタミナベース950円に替え玉50円で合計1,000円です。」
「替え玉50円・・・。」
そうだ、自分は昨日もこの言葉を聞いたのだ。
そして危険を顧みず再びこの地に足を踏み入れてしまったのだ。
「この濃厚なとんこつに替え玉が50円か・・・。」
また私は危険と思いつつもこの地に帰ってきてしまうのだろう。
それほどとんこつに替え玉とは魅力的なものだからだ。
・・・。
6月は2食目で、今年通算51食(34すすり・16つけ・1まぜ)。
目標達成まであと60食・・・。