珈琲・製菓モなカ

あまり知られていない「本当においしいコーヒーを楽しむための情報」を書いています!

「浅煎り缶コーヒー」が存在しない理由

2022-06-23 21:29:33 | グルメ

なんで缶コーヒーは「深煎り」推しなのか

缶コーヒーの売り文句で焙煎に関係するものと言えば「深煎り」ですよね。

今ちょっと調べたら「目覚めの深煎り」「深煎りの極み」「深煎り微糖」なんていうのが出てきました。

でも「浅煎り」って見かけないと思いませんか?少なくとも僕は聞いたことがありません。

色々理由はあると思いますが、その最大の理由は「深煎りにすればどんなコーヒーを使ってもコーヒーっぽい味になるから」でしょう。

深煎り=豆の個性が失われる

コーヒーは焙煎の深さによって味が変わるという事は皆さんご存じだと思います。でも、深煎りにすればするほど豆の個性がなくなり、全部同じような味になる事はあまり知られていません。

もちろん、良い豆は深煎りにしてもコクが残って個性が出ることはありますが、その意味でイタリアンローストに耐えられる豆はほとんどないと言っても良いでしょう。

良い豆も悪い豆もギリギリまで深煎りにすれば、だいたい同じような苦みの強い味になってしまうのです。

重要なのは「良い豆も悪い豆も同じような味」になる、という点です。言い換えれば、深煎りにしてしまえば品質が悪い豆でも「コーヒーっぽい味」にはなるんですね。

深煎りにすればどんなコーヒーもだいたい同じ味

缶コーヒーに使われるコーヒー豆は最も低グレードな「ローグレードコーヒー」か、良くてもその一つ上の「コモディティコーヒー」と呼ばれるランクのものです。

このクラスのコーヒーを浅煎りにするとえぐみや雑味が多く、お世辞にも美味しいコーヒーにはなりません。なので、無理矢理深煎りにして豆の個性であるえぐみや雑味を飛ばし、ただ苦いだけの「コーヒーっぽい味」に仕立てている訳です。

つまり、缶コーヒーが軒並み深煎りを推すのは「そうしないと飲める味にならない原料を使っているから」というわけです。

コーヒーの常識はローグレードの常識

もしかしたら、ここまで読んで「いやそもそもアイスコーヒーは深煎りじゃないと美味しくないんじゃないの?」と思った方もいらっしゃるかも知れません。

確かに、基本的にはその通りです。でも、本当に美味しいコーヒー、例えばゲイシャなどはアイスコーヒーどころかホットで淹れてしばらく経って冷めた状態ですら美味しく飲めてしまいます。

コーヒーの「常識」は、市場の大半を占める「ローグレードコーヒー」や「コモディティコーヒー」の常識だと言っても良いでしょう。


×挽きたて、○焼きたて

2022-06-15 18:39:47 | グルメ

なんだこの黒い液体は!

海原雄山みたいな書き出しで始めてしまいましたが、僕は今ものすっごく後悔しています。このコーヒー、、いやコーヒーと呼びたくない何か、今年ワーストワンの味がするよ。。とっても美味しくない。。。

実は今、たまたま待ち合わせまで時間があいたので、ショッピングモールのイートインコーナーで仕事をしています。タダで場所を借りるのも申し訳ないので、そのコーナーの一角にあるセルフサービスのコーヒーを買ったのですが、、これが絶望的な味でした。

口の中で後を引く嫌な酸味、コーヒーらしい香ばしい香りの代わりに、鼻から抜けるなんだかホコリっぽい臭い、そして飲んだ後間もなくやってくる胃のムカムカ感です。

これは典型的な「鮮度が劣化して香り成分が酸化したコーヒー」の特徴です。僕は食べ物にはあんまり文句を言わない主義なのですが、これはダメです。

美味しくないだけでなく、体にも良くありません。コーヒーの香り成分は油分です。健康に気をつけている方なら、酸化した油分は発がん性がある事をご存知でしょう。

コーヒーは生鮮食品

でもこのコーヒーマシンには写真のような「挽きたて・淹れたて」とうたったポップがついていました。挽きたてで淹れたてなら鮮度は高いのでは?と思った方もいらっしゃるかも知れません。でもコーヒーの「鮮度」とは焙煎してからの経過時間の事を言います。

確かに豆の状態なら粉にした状態よりも多少は鮮度の劣化遅くなるのは事実ですが、何倍も長持ちするわけではありません。つまり、飲む直前に豆を挽けば新鮮なコーヒーが飲めるのではなく、挽いてあっても、豆のままでも、焙煎からの時間が短い程新鮮なコーヒーだというわけです。

実はモなカのコーヒーの美味しさの秘密はここにあります。基本的に御注文を頂いてからコーヒーをご用意していますので、モなカのコーヒーはいつでも新鮮なのです。

美味しいコーヒーを飲みたい時は、「挽きたて」よりも「焙煎からの時間」にこだわってみてください。お近くのコーヒー屋さんで豆を買うときも、ちゃんとしたお店なら隠さずに教えてくれるはずですよ。


良いコーヒー豆を使う意味

2022-06-07 21:44:30 | グルメ

コーヒーの味は素材が八割

コーヒーは食品です。

そして食品の味を決めるのは八割方素材です。品質の悪い食品を料理で最高品質にすることはできません。

コーヒーもこの例に漏れずコーヒー豆が味の八割を決めます。

もちろん焙煎による味の変化はあります。でも、それはあくまで「浅煎りでコーヒー豆の個性を出すか」「深煎りでコーヒーらしい力強さを出すか」「中煎りでバランスを取るか」といったレベルの話です。

元々雑味の多いコーヒーを浅煎りで雑味なく飲むことはできませんし、コクのないコーヒーを深煎りにしてもスカスカな味にsかなりません。

だから、私たちは一番いいいグレードのコーヒーだけを使っています。

「ハンドピック」が必要な豆って・・・

このグレードのコーヒーを使うのはもう一つ理由があります。それは、欠点豆がほとんど含まれていないからです。

欠点豆というのは腐ったり、カビが生えたり、割れたりした豆で、これが混ざっているとコーヒーの味に大きな影響が出てしまいます。

ちゃんと品質管理されたコーヒー豆は初めから欠点豆がほとんど入っていません。

だから、焙煎前に長時間かけて一粒一粒取り除く手間と時間を掛ける必要がありません。

日本国内は人件費が高いため、どんなに安い豆を仕入れても、この欠点豆を取り除く「ハンドピック」をやっていると、高い値段で販売しないと割に合わなくなります。

結果として、お客さんは欠点豆が大量に含まれた普及グレードの豆を高く買わされているケースも少なくありません。

是非一度本当に良いコーヒー豆で作ったコーヒーを飲んでみて下さい。味の違いに驚きます。