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いい年をしてまた自分で自分の髪をカットしてしまった。
これは僕が昔から散髪屋が好きじゃないのと、学生~フリーター時代にお金がないのでやむなく自分でカットしていた名残みたいなものだ。
お風呂に入った時に行うのだけれど、髪を切っているとだんだんと鏡の中の自分に慣れてきてしまって、髪型がかっこいいのか悪いのかが分からなくなってしまう。
ある程度切ってまあ、こんなもんだろというところできりを付けて就寝。
夜中にトイレに起きた時に洗面所の鏡を見てびっくり。なんじゃこの佐々木健介みたいな髪型は。
時刻は夜中の一時。うわーどうしよう。これ、仕事に行ったらダメな頭やろ。
僕は早朝やっている床屋を調べだしたのだが、早くても9時からのお店ばかり。
んん~~どうやって仕事を遅刻して行こうか。言い訳言い訳・・・・・・・・・はっ!!!いかんいかん!これじゃあ社会人失格じゃないか!
僕は裸になって再び冷え切った深夜のお風呂場に入った。一度目は散髪用のはさみを使っていたのだが、そいつの切れ味が悪かったのかもしれない・・・
自分の腕は棚に上げ、僕は工作用のはさみを部屋から持ち出して鏡に向かった。何かのせいにしたかったのだ。
格闘すること20分・・。
またもやかっこいいのか悪いのか判断の付かない頭が出来上がった。
もう、いい・・・これで明日の朝出来が悪いと思ったら息子が急病になったというにして散髪屋へ行こう・・(最悪)
次の日の朝、こわごわ鏡をのぞいた僕は、まあほっとした。ぼちぼちの出来じゃないか。
母親は「トラ刈りになっちょんよ」と言うが僕は自分の感性を信じているので気にならない。
果たしてそのまま職場に行ったところ、職員のみんなからの評判は総じて「ま、いいんじゃないですか」というあまり興味がないようなものだった。
僕はそれを褒め言葉と受け取り、改めてこの髪形を修正すべく散髪屋に行くのを辞めたのだった。
BGM * night thougts / suede