地理講義   

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116.アフリカ大陸の地形 

2013年12月11日 | 地理講義

アフリカ大陸
安定大陸:アフリカ大陸の主要部分は6億年よりも古い岩石である。楯状地・卓状地から成り立つ。ゴンドワナ大陸の分裂により、アフリカ大陸から、南アメリカ・オーストラリア・南極・インドなどが分裂移動した。
古期造山帯:アフリカ大陸が古生代に南に動き、大陸南端に古期造山帯のドラケンスバーグ山脈ができた。ケープ褶曲帯の一部。
新期造山帯:中生代以降、アフリカ大陸は北に移動し、地中海の幅を狭く、深くした。アトラス山脈は地震は多いが、火山はない。アルプス・ヒマラヤ造山帯に属する。



アフリカ大陸の地形

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


アフリカ地溝帯
アフリカ東部では[東部地溝帯+西部地溝帯]とに2分割される。東部地溝帯は年5cmで東進し、西部地溝帯は年2cmで東進する。その差3cmがヴィクトリア湖周辺地域である。将来は東部地溝帯東側、ヴィリクトリア湖周辺、アフリカ西部地溝帯西側と、アフリカ大陸は3分割する。
アフリカ大陸は広大のため、アフリカ地溝帯の地下を上昇するマグマの活動によって地表面が膨張し、割れつつある状態とみなすことができる。東部地溝帯は正断層型・中央海嶺型の広がる変動帯であり、火山・断層が集中している。アフリカ地溝帯はインド洋中央海嶺の延長である。アフリカ地溝帯の活動が活発になって700万年経過した。中小の正断層を火山灰と溶岩がおおうが、この下には700万年の人類の進化を説明する人骨が埋もれている。アフリカ地溝帯には自然放射能の強い岩石が多く、人類の遺伝子を100万年単位で変形させた。100万年単位で新たな人類がアフリカ地溝帯で生まれて増殖し、世界各地に移動分散した。

東部地溝帯

ゴンドワナ大陸を形成していたアフリカ・オーストラリア・インドを引き裂いたのが、インド洋中央海嶺の海底火山活動である。インド洋中央海嶺はインド洋で活動しているが、アデン湾・紅海に延び、アラビア半島とアフリカ大陸とを分裂させている。
インド洋中央海嶺はアファル窪地(ジブチ)から南にアフリカ地溝帯を形成した。エチオピア高原では地溝帯からの火山噴火が激しく、地溝帯上に溶岩台地と火山とをつくった。この延長が東部地溝帯であり、ケニア山(5199m)・キリマンジャロ山(5895m)などの火山が地殻の割れ目にあり、盛んに火山活動をしている。

西部地溝帯
火山が少なく、高地にはマラウィ湖・タンガニーカ湖のような断層湖がある。
東部地溝帯よりも遅い速度で東進するため、東部地溝帯と西部地溝帯の割れ目の拡大速度になる。赤道直下のヴィクトリア湖は東西の地溝帯の低地にできた構造湖であり、断層・火山活動とは直接の関係はない。

サハラ砂漠
面積1,000万k㎡の広大な砂漠である。中緯度高圧帯の影響を強く受けているが、サハラ南部サヘルは年降水量が300mm~500mmの半乾燥地域である。5,000万人が農業・遊牧などで暮らしているが、数10年のうちの数年は中緯度高圧帯の変動があって砂漠化し、深刻な飢餓の問題が起こる。
サハラ砂漠は安定大陸に属し、火山活動はないはずだが、チャドのエミクシ山はサハラ砂漠の最高峰であり、噴火の記録は残っていないが、カルデラ型火山である。活動時期は侵食の程度から数万年前までは活動していたと考えられる。アフリカ地溝帯とは異なり、地殻の割目と無関係な火山である。陸上のHot Spotであり、エミクシ山の地下深くにはマグマが存在している。エミクシ山は安定大陸で活動する火山である。


Blood Diamond
アフリカではダイヤモンド原石の取引きが盛んである。価格はひどく安いが、それでも収入のないアフリカ各国にとっては重要な収入源である。しかし、ダイヤモンドの産出国では、ダイヤモンド鉱山や取引先利権をめぐって内戦が発生する。世界中からアフリカに集まるダイヤモンド商人は、ダイヤモンドを購入し、その代金を兵器で支払う。対立するアフリカ人勢力にも、ダイヤモンドと兵器を取り引きする。したがってダイヤモンドのある限り、内戦は尽きない。そのため[汚れたダイヤモンドBlood  Diamond]と言われる。
国際連合はアフリカ各国の内戦を終息させるため、ダイヤモンドを軍資金とする国に、輸出規制をした。輸入国には輸入規制をした。しかし、実効に乏しく、どの国もあるいは部族単位でも、少年兵・女性兵・傭兵も使って内戦を続け、ダイヤモンド鉱山の占領をめざした。ダイヤモンドが枯渇したり、先進国資本が鉱山を支配した時には内戦は終息した。戦争のない時代が訪れると、皮肉なことに重要な収入源のダイヤモンドは、原石のままの安値で海外に売られた。ダイヤモンドは戦争・内戦・紛争の原因にはなっても、平和時、ダイヤモンドは先進国企業に買いたたかれ、安売りされた。ダイヤモンドのモノカルチャーが続く限り、ダイヤモンド生産国の経済状況は好転しなかった。
低所得労働者はダイヤモンド関連以外の不安定な仕事を見つけて働かなくてはならない。先進国はダイヤモンドを買いたたいて国外に元出す一方で、食糧援助とともに手作業主体の製造業を進出させた。衣料品・電器部品の製造のような労働集約型の簡単な仕事あが、このような企業の進出は、アフリカの新しい姿として賞賛される。
しかし、先進国の製造業は、低賃金労働者を雇って儲かるうちは仕事を持ち込んで来るが、食糧援助費用や賃金が上昇して企業の儲けが減ると、企業はすぐに撤退する。そして、貧困と食糧不足が再来し、また、言語・宗教の異なる民族が対立し、ダイヤモンド利権争奪の内戦を再開する。アフリカのダイヤモンドを先進国が安く買いたたいているうちは、アフリカ産ダイヤモンド鉱石は、アフリカの経済・政治の安定には役立たない。



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