インドの移動
ヒマラヤ山脈ができたきっかけは、5,000万年前から4,000万年前に、インドとユーラシア大陸がぶつかったことである。2億年前、インドは「パンゲア」と呼ぶ巨大な大陸の一部だった。パンゲアは現在の全大陸が集まっていた「超(ちょう)大陸」であった。インドはアフリカと南極とに接していた。
2億年前、パンゲアは大西洋ができて分裂を始めた。インドはパンゲアから離れ、長い時間をかけて南極の近くから少しずつ北へ動いていった。赤道を越えて、ユーラシア大陸とぶつかった。
陸地が押しよせてきたことで、インドとユーラシア大陸の間にあったテーチィス海が押し上げられ、ヒマラヤ山脈ができた。エベレスト山頂からは、三葉虫など古生代の生物の化石が見つかり、ヒマラヤ山脈は海から隆起したことが分かる。今もインドは年に5cm北上し続けていて、エベレストは毎年数mmずつ高くなっている。
イエローバンド
エベレストの標高7,600m~8,200mには石灰岩が変質した、黄色の大理石の地層がある。エベレスト登山には固くて滑りやすいので、登山の最大の難所と言われている。
石灰岩は海水中に大量に含まれ、イエローバンドが存在することは、ここもかつてはテーチィス海の海底であり、そこから隆起したことが分かる。