地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

9.日本の大豆栽培   地理総合

2019-01-28 18:48:58 | 地理講義

世界のダイズ生産量

ブラジル、アメリカ、アルゼンチンの生産量が多い。世界生産合計は2億7,000万トンである。多くは飼料用・油糧用として中国・日本などに輸出される。日本産の大豆生産量は24万トンである。世界比の0.1%である。
日本の食品では大豆の総需要が年96万トンである。日本産は24万トンであり、国産大豆のほとんどが食品用である。不足する72万トンは輸入大豆が使われる。輸入大豆のうち、食品用には遺伝子組み換えではない大豆が使われる。大豆の食品部分の自給率は25%である。
日本の大豆の輸入は338万トンであり、そのうち食品に72万トン、あとは油糧用など266万トンである。油糧用に用いられた輸入大豆の絞りかすは、良質な飼料・肥料となる。大豆全体では国内産は24万トン、輸入は338万トンだから、自給率は7%となる。


日本の大豆栽培

日本の大豆生産は、1970年代に米の減反政策が強化されてから、転作作物として急増した。それまでの大豆は畑作物であったが、転作奨励金で水田の圃場整備を進め、大豆が栽培されるようになった。大部分は国内の加工食品の製造に使われる。
日本の大豆は食品用に加工される。輸入大豆は油を絞ったあと、優れた肥料・飼料として供給される、日本国内では肉牛・豚・乳牛・鶏などの肥料として、あるいは有機栽培の畑作物の肥料として最終的に利用される。


北海道の大豆栽培
日本最大の大豆産地は北海道である。342万トン、北海道ではその40%を占める。2位が8%の宮城県、3位は7%の佐賀県である。

長沼町
大豆生産高第1位の自治体である。1970年までは北海道の先駆的米作地帯であったが、減反政策の強化により水田の一部を大豆農地に転換した。法人組織による協業化が進められ、効率的な大豆栽培が行われている。
音更町
十勝地方最大の大豆生産を誇る。もともと水田不適応の火山灰台地を明治16年から開墾を進めた。長沼町同様、生産法人組織による協業化を進めていて、1960年代からアメリカ型の大規模畑作農業が進められている。大豆は水田転作によるものはわずかであり、大半は明治初期の開墾当初からの畑作物である。

 


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