地理総合の研究 付2018年センター地理AB本試・追試解説 

「地理講義」の続き。「地理総合」に「2018年センター試験地理AB本試・追試の問題と解答解説」を追加。

2018年地理B(追試)第4問解答解説 北アメリカ

2018-11-03 18:11:42 | 地理講義

2018年地理B追試第4問

解答
【19】②
解説 北アメリカの地形
①◯ Aはカナディアンロッキー山脈。最高峰ロブソン山3,954m。
②× Bはセントローレンス川。河口は三角州ではなく、エスチュアリーである。
③◯ Cは古期造山帯のアパラチア山脈で、なだらかな山容である。
④◯ Dはサンアンドレアス断層。右横ずれ断層。

詳細な解説
① ロッキー山脈
4,500kmのうち、2,200kmはカナダ領であり、カナディアンロッキー山脈といわれる。環太平洋造山帯つまり新期造山帯に属する。
② セントローレンス川
オンタリオ湖から北北東に流れる。河口の地形は堆積作用よりも侵食作用の方が強いからエスチュアリーになる。エスチュアリーの最上流にケベックがある。
③ アパラチア山脈
古期造山帯で最高峰はミッチェル山2,037m。侵食が進んでなだらかな傾斜の山脈である。石炭が豊富だが、輸入石炭の方が安価のため、ほとんど採掘されていない。山麓のピードモント台地外縁には滝線都市(コロンバス、オーガスタ、ローリーなど)がある。
④ サンアンドレアス断層
カリフォルニア州の長さ1,200kmの右横ずれ断層である。一つの大断層ではなく、多数の断層が並行する断層帯である。しばしば大地震を起こし、周辺に大きな被害を与える。

 

解答
【20】⑤
解説 最暖月の気温と最寒月の気温
(ア)Y ー3℃より低温の月があり、また気温年較差も大きいから内陸のウィニペグ。
(イ)Z ー3℃よりも低温で、気温年較差は小さいから沿岸のセントジョーンズ。
(ウ)X 気温年較差が小さく、最暖月の気温がー3℃をこえるからバンクーバー。

詳細な解説
(ア)ウィニペグ
カナダの内陸にあり、気候は亜寒帯湿潤気候Df。そのうちでも内陸にあるため、気温の年較差は非常に大きい。ウィニペグはプレーリーにあって大陸横断鉄道が通り、春小麦の集散地である。
(イ)セントジョーンズ
カナダ大西洋岸ニューファンドランド島の漁業都市。沖合では暖流の北大西洋海流と寒流のラブラドル海流が潮目を作り、好漁場になっている。海流の影響で気温年較差は小さいが亜寒帯湿潤気候Dfである。なお、セントジョーンズは霧と流氷でも知られている。
(ウ)バンクーバー
カナダ太平洋岸の西岸海洋性気候Cfb。最寒月はー3℃よりも高く、最暖月は22℃よりも低い。イギリス系の白人が多数を占めるが、中国人をはじめアジア系民族の増加が著しい。なおバンクーバーは夏の降水量が少ないため、統計次第では地中海性気候Csになる。

 

解答
【21】①
解説 アメリカ合衆国の移民と民族・人種
①× ヨーロッパ系の移民が減り、アジア系の移民が増加している。
②◯ 南部の綿花農場ではアフリカからの黒人奴隷労働力が重要であった。
③◯ エスキモーはモンゴロイドでアラスカの先住民である。
④◯ ヒスパニックは中南米出身者であり、白人・黒人とその混血。

詳細な解説
① 1965年の移民法により、アメリカへの移住者が家族を呼び寄せることが可能になった。また、特定の職能のある者の移民を受け入れることになった。結果的にアジア系とヒスパニックの移民が増加した。
② アメリカ南部の綿花プランテーションには、白人経営者が低賃金の黒人労働者を使って高い利益をあげていた。
③ エスキモーは北極圏に住むアメリカ先住民であり、2万年前の氷河来にアジアからベーリング海峡をわたり、アメリカ大陸に移動した。
④ ヒスパニックはアメリカ全人口3億2,000万人のうちの17を占める。中南米出身でスペイン語を話す白人・黒人・混血の低賃金労働者である。次第にアメリカで高い地位にのぼる者が増えている。

 

 



 

 

解答
【22】④
解説 大都市の家賃と交通手段
(カ)ロサンゼルス 公共交通機関がなく、郊外から自家用車での通勤が77%を占める。
(キ)ニューヨーク 地下鉄を中心とする公共交通機関が発達し、自家用車は少ない。
(ク)ヒューストン 公共交通機関はない。低所得のヒスパニックが多く、低家賃である。

詳細な解説
ニューヨーク
人口817万人でアメリカ第1位。人種構成は白人44.1%、黒人25.2%、アジアン11.6%、ヒスパニック27.4%である。ヒスパニックは人種を問わず、中南米のスペイン系移民である。交通手段としては地下鉄などの公共交通機関を利用し、自動車普及率が低い。
ロサンゼルス
人口397万人でアメリカ第2位。人種構成は白人49.8%、黒人9.6%、アジアンン11.3%。ヒスパニックは48.5%である。市内の移動は地下鉄・バスなどの公共交通機関で間に合う。しかし住宅地は郊外に延び、遠方から高速道路を利用して通勤することになる。
ヒューストン
テキサス州ヒューストンの人口230万人でアメリカ第4位。なお、第3位はシカゴ272万人である。ヒューストンの人口構成は白人25.6%、黒人23.7%、アジアン6.0%。ヒスパニックは43.8%である。公共交通機関はバスが中心であり、利用者の割合は小さい。


 

解答
【23】③
解説 第1次産業人口と穀物自給率
① カナダ。カナダの人口密度は3.6人/㎢であり、農産物の輸出割合は高い。
② アメリカ合衆国。小麦輸出量は世界第1位である。国内消費量も多い。
③ メキシコ。小麦の自給率は60%。米の自給率は20%である。
④ キューバ。小麦は100%を輸入する。米は主食であり、自給率は55%である。

詳細な解説
カナダの小麦輸出
小麦1農家当たりの平均耕地面積は500haであり、輸出比率が高い。自給率は200%を越えるから、小麦の半分以上を輸出することになる。春小麦が栽培される。
アメリカの小麦輸出
冷涼地では春小麦が栽培されるが、冬小麦の栽培面積が広い。機械化された企業的農業であり、生産コストは低い。カナダでもアメリカでも、アメリカの穀物メジャーが生産から貿易まで支配する。自給率は120%である。
メキシコの小麦栽培
大規模農家は安定した小麦生産を続けているが、小きび経営の小麦農家は輸入小麦との価格競争に負けて脱落、農業従事者は工場の低賃金労働者になったり、アメリカへの出稼ぎに行ったりする。小麦の自給率は60%である。第1次産業13.7%。
キューバの米栽培
サバナ気候で米栽培に適しているが、農地としての平野が少なく、米の自給率は55%である。小麦は気温が高いため生産が難しく、輸入100%である。穀物自給率は30%になる。第1次産業19.7%。

 

 

 

 

解答
【24】③
解説 アメリカの州別主要産業
(サ)食品。アメリカ中西部のプレーリーから農業、アラスカから水産業。
(シ)太平洋岸だからコンピュータ関連。
(ス)南部が中心だから石油。

詳細な解説
(サ)アラスカ(水産)、ネブラスカ、アイオワ、ウィスコンシン、アーカンソー州。
(シ)カリフォルニア(シリコンバレー)、オレゴン、バーモント、ニューハンプシャー、マサチューセッツ(エレクトロニクスハイウェー)。
(ス)テキサス、オクラホマ、カンザス、ワイオミング、ウェストバージニア。

 

 


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