末梢性免疫寛容(Peripheral tolerance)のページを更新
- 末梢性免疫寛容(Peripheral tolerance)とは、自抗抗原に反応する細胞が、自己を攻撃しない免疫寛容の末梢組織でのしくみある。
中枢性免疫寛容で全ての自己抗原に免疫寛容が得られるわけでは無い。自己抗原に反応するT細胞が、末梢組織で自己を攻撃しないしくみも必要である。そのしくみが、末梢性免疫寛容である。
末梢性免疫寛容で最も大きな役割を果たすのは、制御性T細胞である。 また、末梢性免疫寛容には、無視(イグノランス)、欠失(デリーション)、不応答性(アナジー)といったしくみも関与している。 - ● 制御性T細胞
- 制御性T細胞は、抑制性のサイトカイン(TL-10、TGF-βなど)を産生する。また、T細胞が活性化するために必要な補助シグナルをブロックすることで、自己抗原に反応する細胞を抑制する。
- ● 無視(イグノランス)
- 抗原の存在する場所とは隔離されている場合、もしくは抗原の存在が少ない場合において、T細胞は十分に活性化しないこと。
- ● 欠失(デリーション)
- 抗原による刺激で活性化したT細胞が、細胞の死(アポトーシス)を誘導するFas遺伝子を発現させること。抗原による刺激がある間は、細胞の生存を促進する生存シグナルを活性化させるので、生存シグナルが有意となっている。しかし、抗原による刺激が無くなると、アポトーシスへ誘導するシグナルが有意となる。するとアポトーシスが起こり、免疫応答が終息する。
- ● 不応性(アナジー)
- T細胞が活性化するには、抗原による刺激だけでは不十分である。T細胞の活性化の過程で、補助シグナルが必要である。この補助シグナルがないと、T細胞は不応答の状態となる。