森の里ホームズのブログ

新生タンパク質のフォールディング

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 リボソームで合成された新生ポリペプチド鎖は、多くの場合シャペロンの介添をうけてフォールディングする。

シャペロンが必要とされる理由は、作られたばかりのポリペプチド鎖では疎水性のアミノ酸残基が露出しており、水分子から逃れるために最初に遭遇した他の疎水性残基と結合しようとするためである(天然体では疎水性残基は内部にあり、周囲の水分子から隔離されている)。 生体細胞内は非常にタンパク質濃度が高いため最も近くの疎水性領域と手当たり次第に結合してしまうと間違ったフォールディングを導く。これを防ぐのが(新生ポリペプチド鎖に対する)シャペロンの働きである。

なお、フォールディングに失敗したタンパク質は凝集する傾向があり、細胞にとって非常に有害である(例としては牛海綿状脳症の原因であるプリオンタンパク質や、アルツハイマー病の原因となるβアミロイドタンパク質など)。

シャペロンは、正しい結合相手が現れるまで新生ポリペプチドの疎水性部分を水分子から隠す働きを持つ。通常のシャペロンは、内部が疎水性領域となっているポケット持ち、ここに基質を隔離する。基質の疎水性領域はポケット内の疎水性領域と相互作用し、不適切な結合は抑制される。

大腸菌の場合、トリガー因子と呼ばれる特殊なシャペロンを持つ。古細菌と真核生物には同様のシャペロンは存在しない。トリガー因子が通常のシャペロンと異なる点は、リボソームの大サブユニットと結合することである。こうして、新たに合成されてリボソームから出てくるタンパク質は直ちにポケット内へと誘導される。2004年にNenad Banは大腸菌のトリガー因子と古細菌のリボソームサブユニットとの複合体の結晶化に成功した。複合体中のトリガー因子はその独特の形状から「うずくまった竜(臥竜)」と呼ばれる。臥竜にはそれぞれ頭、背中、腕、尾と喩えられる領域がある。大腸菌には予備のシャペロンとしてDnaKが存在し、トリガー因子は生存に必須ではない

<出典:Wikipedia>

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