限局性皮質異形成(指定難病137)のページを更新
- 大脳皮質における局所的な発生異常(神経細胞の発生、増殖及び遊走の障害)に関連した病巣により、主としててんかん発作を呈する。主に乳幼児~学童期に発症するが、中学生以降あるいは成人でも発症する。MRIにより限局性の皮質を主体とする特徴的な異常所見で検出される一方、MRI異常を欠き病理診断で明らかになる場合もある。大脳皮質神経細胞の配列が様々な程度に乱れる。病理組織学的所見の特徴からタイプ分類がなされる。大脳皮質のどこにでも生じうる。
- 【原因】
- 原因は不明であり、ゲノム遺伝子の異常も明らかでない。FCDタイプ2bの症例の一部に、細胞内情報伝達系分子mTORの体細胞変異が知られている。
- 【症状】
- 限局性皮質異形成の存在部位に応じててんかん発作症状は多彩である。乳幼児ではてんかん性脳症(てんかんが認知機能を進行性に障害する。)を呈することもある。長じては、主として部分てんかんを呈し、異形成を中心としたてんかん焦点の発作症状を示す。てんかん重積状態を来すこともある。
- 【治療法】
- 抗てんかん薬が積極的に用いられるが、難治である。異形成が画像診断で同定でき、臨床所見や脳波所見と一致する場合には外科治療が行われる。しかし、しばしば異形成の広がりを推定することが困難であり、十分な切除が行われないとてんかん発作が消失しない。また、異形成が機能的に重要な脳部位(運動皮質や言語領域など)を巻き込んでいる場合や、異形成が多発性の場合には、手術は困難である
<出典:難病情報センター>
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