「コロナワクチンによる自己免疫性脳炎」や「ワクチン接種による多巣性壊死性脳炎」の記事にもありますように、コロナワクチン接種後に脳炎や脳症になる可能性があります。
コロナワクチン接種後に脳炎や脳症になりやすい危険因子のひとつとしてビタミンB1(チアミン)の不足が考えられます。
Encephalopathy responsive to thiamine in severe COVID-19 patients
Marcus Vinicius Branco de Oliveira
という論文によれば、
【脳症は、重症コロナウイルス疾患2019(COVID-19)患者の最も頻度の高い神経学的合併症の1つである。サイトカインストームや敗血症、高代謝状態、フロセミドの使用、透析療法はチアミン欠乏の危険因子を表し、重症COVID-19患者にも見られる。このレトロスペクティブケースシリーズでは、COVID-19に関連するWernicke脳症(WE)患者15名の臨床的・神経学的所見と、チアミン静注による治療効果について報告する。全例に脳症が認められ,67%に古典的なWE三徴候(眼球麻痺と運動失調)の少なくとも1つの追加徴候がみられた.2名(13%)は古典的な三徴候を有していた。COVID-19の全患者は、チアミンの静脈内投与後2日から5日の間に神経症状が著しく改善した。11名(73%)の患者が退院時に良好な神経学的転帰を示し、死亡した患者は2名(13%)のみであった。このケースシリーズは、チアミン欠乏が重症COVID-19患者の脳症の病因である可能性を示唆し、その治療は神経学的負担を軽減する安全かつ低コストの対応策である可能性を示している。】
チアミン欠乏症による障害は、
Thiamine supplementation in the critically ill
とかにも記述されています。
【チアミンは、チアミンピロリン酸の形で、エネルギー生産のための糖質分解と糖質の酸化的脱炭酸における重要な補酵素である。様々な研究により、成人および小児の重症患者は、絶対的または相対的なチアミン欠乏を特徴とし、死亡率がほぼ50%増加することが示されています。重症敗血症、火傷、原因不明の心不全や乳酸アシドーシス、アルコール依存症の既往がある患者の神経障害、飢餓、慢性栄養失調、長期非経口栄養、妊娠悪阻、肥満手術などのさまざまな臨床場面でチアミン不足を疑う必要がある。それにもかかわらず、重症患者にチアミンのサプリメントが日常的に投与されることはない。早期治療により永続的な神経障害の出現を防ぐことができるため、臨床医はチアミン欠乏による二次的な重篤な神経障害の発生を疑い、その危険因子を認識することができるようになる必要がある。
要約:重症患者において、チアミン欠乏症に関連する症状や徴候は、感度や特異性に欠ける。その結果、チアミン欠乏症は臨床医によって認識されず、診断が不十分であることが多い。チアミン欠乏がもたらす潜在的な悪影響は、早期かつ適切な補給によって回避されるべきである。】
また、ビタミンB1が炎症性サイトカインを下げ、サイトカインストームを防ぐという報告もあります。ビタミンB1が欠乏して脚気になると、筋肉がうまく動かなくて歩けなくなります。
さらに脚気心といって心臓の動きが弱まって心不全になり、ウェルニッケ脳症(怒りっぽい、忘れっぽい、ウソをつく)といって認知障害や外眼筋麻痺が出るそうです。
コロナワクチンチン後遺症といわれる心筋炎、心不全、倦怠感、ブレインフォグ、これらにはビタミンB1欠乏が関与しているかもしれません。