
今話の名セリフ:「おーい! 浦の星は、良い学校だぞー!」(松浦果南)
「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第7話「残された時間」の感想です。
ラブライブ地区予選は、すべてのチームのステージが終了し、結果発表の時が来ました。
決勝に進出できるのは3チーム。決勝に進出したのは・・・、

「千歌ちゃん!」

「やった・・・。やったの・・・? 夢じゃないよね・・・? ハッてならないよね・・・?」

「ならないわ・・・。」
「本当・・・? だって決勝だよ? ドームだよ? 本当だったら奇跡じゃん・・・?」


「奇跡よ・・・。奇跡を起こしたの、私達・・・。」

「さあ! みんな、いっくよー!」

「全速前進・・・、」
『ヨーソロー!』

「・・・からの、敬礼!」

Aqoursの地区予選のステージは、かなりの視聴回数を叩き出しており、沢山の人達がAqoursを応援していた事がうかがえます。
だったら、入学希望者数も爆発的に増えている、・・・なんて事はなく、まったく変わっていないようで。
希望者の募集は今夜がリミットですが、ダイヤは、まだ時間はあると前向きです。学校に行けば正確な数は分かる事から、9人は学校に帰ります。
メンバーが学校に着いたのは午後8時。パソコンで確認したところ、この時点では希望者数が80人と、本当に変わっていません。
残りは4時間。鞠莉は、父に電話する事に。
それから1時間後、鞠莉は父と話した結果、翌日の午前5時までリミットを引き延ばしてもらえました。つまり、あと8時間で100人集める事となります。
その直後、千歌は、駅前で呼びかけをしようと考えますが、今は夜中。大して効果はありません。ライブをしてネットを配信する事も考えましたが、準備している間に朝になってしまいます。
千歌は、ここでじっとしていたくはないと思っていますが、今日の自分達を信じようと、周りが説得。千歌も、きっと大丈夫だと納得しました。
ダイヤは皆に、帰宅するよう言いますが、メンバーの多くは、離れ離れになると落ち着かないと感じています。という事で、皆、学校で結果を見届ける事に。
しばらくして、日が変わって、午前1時。残り4時間となり、この時点での入学希望者数は・・・、

「これが現実なのですわ。これだけの人が浦の星の名前を知っても・・・、」
「たとえ街が綺麗で、人が優しくても、わざわざここまで通おうとは思わない・・・。」


昼食をとってからは、何も食べていない9人。1年生の3人が近くのコンビニで夜食を買ってきました。
「まったく、世話が焼けるったらありゃしない。私はリトルデーモンの事で手一杯なのに。」
「仕方ないずら。今のAqoursを作ったのは、千歌ちゃん達2年生の3人。」
「その前のAqoursを作ったのは、お姉ちゃん達3年生3人だもん。」
「責任、感じているずらよ。」


「そんなもん、感じなくてもいいのに・・・。少なくとも私は、感謝しか・・・。」


「リ、リトルデーモンを増やしに、Aqoursに入っただけなんだし!」
「だからマル達が面倒見るずら。それが仲間ずら。」
「だね!」


「なんかいいな、そういうの。支え合ってる気がする。」
「そうずらね。」


それからしばらくして、入学希望者数は94人。あと6人となりました。
なお、現在の時刻は・・・、

もう1時間もありません。
「お願い・・・。お願い!」

「お願い・・・。お願い、お願い、お願い! お願い・・・。増えて・・・。」
「千歌ちゃん・・・。」



「さすがの曜ちゃんも睡魔には勝てないか。」
「寝てないよ。けど、待ってるの、ちょっと疲れてきた。」

その後・・・、
「あーあ・・・。あと6人、お願い!」
「お願いします!」

「おーい!」

「浦の星は、良い学校だぞー!」


「おーい! 絶対後悔させないぞー!」
「みんな、いい子ばっかだぞー!」

「私が、保証するー!」

「保証されちった。」
「私の保証は間違いないわよ!」


その直後、入学希望者数が97人となり、あと3人となった事を確認。しかし、残り時間は10分しかありません。
少しして、また1人入学希望者が増えました。ですが、時刻は・・・、

「大丈夫! 大丈夫・・・。絶対に届く・・・。」

「大丈夫・・・。届く・・・。届く・・・。」


「募集終了・・・?」
「時間切れですわ。」

「そんな・・・。大丈夫だよ。あと1日あれば・・・、ううん、半日でいい・・・。1時間でもいい・・・。それで絶対大丈夫・・・。」
「それが約束ですから。」

「でも、それだけだったら・・・。」
「そうだよ。ずっとじゃなくていいんだよ。あと1日だけ・・・。」

「何度も掛け合いましたわ。一晩中、何度も何度も・・・。ですが、もう2度も期限を引き延ばしてもらっているのです・・・。」

「いくらパパでも、すべてを自分1人の権限で決める事はできない・・・。もう限界だって・・・。」

「でも、1日なら・・・。」
「この前だって、それで・・・。」
「今頃もう、統合の手続きに入っている・・・。」

「じゃあ・・・、」
「本当に駄目って事・・・?」


「駄目だよ・・・。だって、私達、まだあがいてない・・・。精一杯あがこうって約束したじゃん・・・。やれる事を全部やろうって言ったじゃん・・・。」

「全部やったよ・・・。そして、決勝に進んだ・・・。私達は、やれる事はやった・・・。」



「千歌!」


「じゃあ何で、学校がなくなっちゃうの・・・。学校を守れないの・・・。そんなの・・・。そんなの・・・。」


「おやめなさい。」
「もう一度だけパパに連絡してみる!」

「これ以上言ったら、鞠莉が理事長を辞めるように言われる・・・。受け入れるしかない・・・。学校は・・・、なくなる・・・。」



そして、後日、浦の星女学院の廃校が全生徒に知れ渡りました。
千歌は、すっかり元気を失ってしまいました。周りには、無理して元気に振舞っていますが。
それからしばらくして練習。3年生や1年生は、ラブライブの決勝に向けて、気持ちを切り替えようと呼びかけ、千歌も決勝に集中しようと練習に取り組みます。
しかし・・・、

「千歌ちゃん・・・。」


「千歌・・・。」


「どうしたの・・・? みんな・・・?」


「今日は、やめておこうか・・・。」

「え? 何で? 平気だよ?」
「ごめんね。無理にでも前を向いた方がいいと思ったけど、やっぱり気持ちが追い付かないよね・・・。」


「そんな事ないよ! ほら、ルビィちゃんも言ってたじゃん? 鞠莉ちゃん達、最後のライブなんだよ?」

「それに、それに・・・。」
「千歌だけじゃない・・・。」
「え?」

「みんな、そうなの・・・。」
「ここにいる全員、そう簡単に割り切れると思っているんですの?」

「やっぱり、私はちゃんと考えた方がいいと思う・・・。本当にこのままラブライブの決勝に出るのか・・・。それとも・・・。」


「そうですわね・・・。」
「ま、待ってよ・・・。そんなの出るに決まってるよ! 決勝だよ! ダイヤさん達の!」


「本当にそう思ってる? 自分の心に聞いてみて・・・。千歌っちだけじゃない・・・。ここにいるみんな・・・。」















「おはよ。」
「おはよう。」

「やっぱり、みんな、ここに来たね。」

「結局、みんな同じ気持ちって事でしょ?」
「出た方がいいって言うのは分かる・・・。」
「でも、学校は救えなかった・・・。」
「なのに、決勝に出て歌って・・・、」
「たとえ、それで優勝したって・・・。」

「確かにそうですわね。」
「でも、千歌達は、学校を救うために、スクールアイドルを始めた訳じゃない。」

「輝きを探すため・・・。」
「みんなそれぞれ、自分達だけの輝きを見つけるため・・・。」

「でも・・・。」
「見つからない・・・。だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ・・・?」

「奇跡を起こして、学校を救って、だから輝けたんだ・・・。輝きを見つけられたんだ・・・。」

「学校が救えなかったのに・・・、輝きが見つかるなんて思えない!」

「私ね、今はラブライブなんてどうでもよくなってる・・・。私達の輝きなんてどうでもいい・・・。学校を救いたい! みんなと一緒に頑張ってきたここを・・・。」

「じゃあ救ってよ!」


「だったら救って! ラブライブに出て・・・、」
『優勝して!』

「みんな・・・。」
「できるならそうしたい! みんなと、もっともっとあがいて!」

「そして!」
「そして?」
「そして、学校を存続させられたら・・・。」



「それだけが学校を救うって事?」

「私達、みんなに聞いたよ! 千歌達にどうしてほしいか、どうなったら嬉しいか。」
「みんな一緒だった。ラブライブで優勝してほしい! 千歌達のためだけじゃない・・・。私達のために・・・。学校のために・・・。」
「この学校の名前を、残してきてほしい!」

「学校の・・・。」
「千歌達しかいないの! 千歌達にしかできないの!」


「浦の星女学院。スクールアイドル・Aqours! その名前をラブライブの歴史に、あの舞台に、永遠に残してほしい!」


「Aqoursとともに、浦の星女学院の名前を!」

『だから! だから! だから! 輝いて!』


「優勝して、学校の名前を・・・。」
「ラブライブに・・・。」


「千歌ちゃん。」
『や、め、る?』

「やめる訳ないじゃん・・・。決まってんじゃん・・・。決まってんじゃん! 決まってんじゃん!」

「優勝する! ぶっちぎりで優勝する! 相手なんか関係ない! アキバドームも決勝も関係ない!」

「優勝する! 優勝して、この学校の名前を、一生消えない思い出を作ろう!」




「ついに、普通じゃない、本当の怪獣になっちゃうのかも・・・。千歌ちゃんは・・・。」


ま、元から、普通じゃないと思ってますけどね。という事で、「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第7話でした。
前話で何日もかかってようやくできるようになった大技がラブライブ地区予選でも成功し、決勝に進出できましたが、廃校は阻止できず。
それも、あと2人足らずでしたからね・・・。しかも、夜の8時から翌朝5時までの夜間9時間の中に18人もの入学希望者数がいたのは驚くところで、地区予選でのパフォーマンスが大いに評価された事がうかがえるでしょう。もし、あと1日でも、いや、半日でも募集期限を延ばせれば、入学希望者数100人は達成できていたように思います。
だけど、募集期限延長はできず、学校は廃校に。あれだけ頑張った事が結果に直結しなかったとなると、「神様は、この子達に何の恨みがあるんだ・・・」と思いたくなりますね・・・。
しかし、もし100人以上集められたとしても、「じゃあ、来年は?」となるでしょう。来年の夏時点で学校説明会の参加希望者数が少なければ、説明会をやる意味は薄いと判断され、説明会は中止になり、生徒募集はやめるかもしれません。(廃校を免れた事を考えれば、それなりの希望者数は集められそうですが)
一定時期までに一定の入学希望者数がいれば学校は存続するという話になったとし、それで存続できたとしても、「2年後は? 3年後は? 5年、10年後も安定した入学者数を確保できるの?」という話になるでしょう。目先の1年だけではありません。何年も先の長い目で物事を見る事が経営者には必要です。
今が上手くいっていたとしても、5年、10年後には経営が上手くいっている見込みがないと判断すれば、早い段階で経営を打ち切る。そういう非情な判断が求められます。
あと2人で入学希望者数100人になるから、もう少しだけ募集期限終了は先延ばしにしてほしいと、一時の感情に流されるようでは、経営者の質を疑われるもの。鞠莉の父の判断は真っ当だと思いますし、募集期限終了を延長しただけでも温情とも思っています。
それに、今回の98人というのは、あくまで入学「希望」者数であって、入学者数ではありません。98人全員が入学確定という事ではないのです。
浦の星女学院は「高等学校」。となれば、入学試験が設けられており、それに合格しなければ入学できません。
また、受験シーズンまではまだ日があります。その時までに他に入学したい高校が見つかれば、浦の星への入学希望をとりやめる事だってあるでしょう。入学試験に臨む人が98人を下回る事は十分ありえます。
さらに言えば、入学者が、半分の50人未満だったという事もありうるでしょう。これだと、募集期限を先延ばしにした意味が薄いように思われ、そんな状態が今後も続くようでは経営赤字が膨らむ一方。それだったら、早めに入学募集を打ち切るのが妥当のように思います。生徒達の想いを無下にする事にはなりますが。
千歌達の努力も空しく、学校は廃校となり、輝く事はできないと感じた千歌ですが、ラブライブ決勝で優勝して学校の名前を残してほしいと、生徒達が励ましてくれました。今や、Aqoursは千歌達9人ではなく、浦の星女学院の全生徒達の想いも乗ったチームのように感じられたのが良いですね。
千歌達の力になりたい。夏の地区予選直前からクラスメイト達が思っていた事であり、たとえステージ上では歌えなくても、可能な限り近くで応援して、千歌達と想いを1つにしたり、予備予選と学校説明会の両方出場を可能にしたりもしていました。
そして、今話では、輝く事の意味を失った千歌に再び、輝く事の意味を与える事に。Aqoursを支えたい気持ちは今も変わっていないところが素晴らしいですよね。
ステージでライブをするのは9人でも、生徒達の想いがなければ、ここまで千歌達がスクールアイドルに必死になる事もなかったでしょう。浦の星女学院の生徒達は、Aqoursの10人目のメンバーと言っても過言ではないように思います。
生徒数が少ない分、地区予選の結果反映には不利ではあったものの、スクールアイドルとの一体感は、他の学校に負けないくらいのものだったでしょう。そこに在籍する生徒からすれば、この学校が良いところだとか、良い子ばかりだとか、朝日に向かって叫びたくもなるのも納得ですね。
さて、次回は、函館に行く話。
函館といえば、Saint Snowの2人が通っている高校がある場所。Aqoursのメンバーが、Saint Snowのラブライブ地区予選を直に見に行くという話になります。
そして、私にとっての2期神回に繋がっていく事にも。次回は、その準備みたいなものですが、次回も感動要素はあり、見応えのある話だと思っています。次回感想も、掲載画像数が結構多くなりそうですね。
今話の感想は、これで以上です。この記事へのコメント、トラックバックは、こちらにお願いします。
「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第7話「残された時間」の感想です。
ラブライブ地区予選は、すべてのチームのステージが終了し、結果発表の時が来ました。
決勝に進出できるのは3チーム。決勝に進出したのは・・・、

「千歌ちゃん!」


「やった・・・。やったの・・・? 夢じゃないよね・・・? ハッてならないよね・・・?」

「ならないわ・・・。」
「本当・・・? だって決勝だよ? ドームだよ? 本当だったら奇跡じゃん・・・?」



「奇跡よ・・・。奇跡を起こしたの、私達・・・。」

「さあ! みんな、いっくよー!」

「全速前進・・・、」
『ヨーソロー!』


「・・・からの、敬礼!」

Aqoursの地区予選のステージは、かなりの視聴回数を叩き出しており、沢山の人達がAqoursを応援していた事がうかがえます。
だったら、入学希望者数も爆発的に増えている、・・・なんて事はなく、まったく変わっていないようで。
希望者の募集は今夜がリミットですが、ダイヤは、まだ時間はあると前向きです。学校に行けば正確な数は分かる事から、9人は学校に帰ります。
メンバーが学校に着いたのは午後8時。パソコンで確認したところ、この時点では希望者数が80人と、本当に変わっていません。
残りは4時間。鞠莉は、父に電話する事に。
それから1時間後、鞠莉は父と話した結果、翌日の午前5時までリミットを引き延ばしてもらえました。つまり、あと8時間で100人集める事となります。
その直後、千歌は、駅前で呼びかけをしようと考えますが、今は夜中。大して効果はありません。ライブをしてネットを配信する事も考えましたが、準備している間に朝になってしまいます。
千歌は、ここでじっとしていたくはないと思っていますが、今日の自分達を信じようと、周りが説得。千歌も、きっと大丈夫だと納得しました。
ダイヤは皆に、帰宅するよう言いますが、メンバーの多くは、離れ離れになると落ち着かないと感じています。という事で、皆、学校で結果を見届ける事に。
しばらくして、日が変わって、午前1時。残り4時間となり、この時点での入学希望者数は・・・、

「これが現実なのですわ。これだけの人が浦の星の名前を知っても・・・、」
「たとえ街が綺麗で、人が優しくても、わざわざここまで通おうとは思わない・・・。」


昼食をとってからは、何も食べていない9人。1年生の3人が近くのコンビニで夜食を買ってきました。
「まったく、世話が焼けるったらありゃしない。私はリトルデーモンの事で手一杯なのに。」
「仕方ないずら。今のAqoursを作ったのは、千歌ちゃん達2年生の3人。」
「その前のAqoursを作ったのは、お姉ちゃん達3年生3人だもん。」
「責任、感じているずらよ。」



「そんなもん、感じなくてもいいのに・・・。少なくとも私は、感謝しか・・・。」


「リ、リトルデーモンを増やしに、Aqoursに入っただけなんだし!」
「だからマル達が面倒見るずら。それが仲間ずら。」
「だね!」


「なんかいいな、そういうの。支え合ってる気がする。」
「そうずらね。」



それからしばらくして、入学希望者数は94人。あと6人となりました。
なお、現在の時刻は・・・、

もう1時間もありません。
「お願い・・・。お願い!」


「お願い・・・。お願い、お願い、お願い! お願い・・・。増えて・・・。」
「千歌ちゃん・・・。」





「さすがの曜ちゃんも睡魔には勝てないか。」
「寝てないよ。けど、待ってるの、ちょっと疲れてきた。」


その後・・・、
「あーあ・・・。あと6人、お願い!」
「お願いします!」


「おーい!」


「浦の星は、良い学校だぞー!」


「おーい! 絶対後悔させないぞー!」
「みんな、いい子ばっかだぞー!」


「私が、保証するー!」

「保証されちった。」
「私の保証は間違いないわよ!」



その直後、入学希望者数が97人となり、あと3人となった事を確認。しかし、残り時間は10分しかありません。
少しして、また1人入学希望者が増えました。ですが、時刻は・・・、

「大丈夫! 大丈夫・・・。絶対に届く・・・。」


「大丈夫・・・。届く・・・。届く・・・。」




「募集終了・・・?」
「時間切れですわ。」

「そんな・・・。大丈夫だよ。あと1日あれば・・・、ううん、半日でいい・・・。1時間でもいい・・・。それで絶対大丈夫・・・。」
「それが約束ですから。」

「でも、それだけだったら・・・。」
「そうだよ。ずっとじゃなくていいんだよ。あと1日だけ・・・。」

「何度も掛け合いましたわ。一晩中、何度も何度も・・・。ですが、もう2度も期限を引き延ばしてもらっているのです・・・。」


「いくらパパでも、すべてを自分1人の権限で決める事はできない・・・。もう限界だって・・・。」

「でも、1日なら・・・。」
「この前だって、それで・・・。」
「今頃もう、統合の手続きに入っている・・・。」


「じゃあ・・・、」
「本当に駄目って事・・・?」




「駄目だよ・・・。だって、私達、まだあがいてない・・・。精一杯あがこうって約束したじゃん・・・。やれる事を全部やろうって言ったじゃん・・・。」


「全部やったよ・・・。そして、決勝に進んだ・・・。私達は、やれる事はやった・・・。」



「千歌!」


「じゃあ何で、学校がなくなっちゃうの・・・。学校を守れないの・・・。そんなの・・・。そんなの・・・。」


「おやめなさい。」
「もう一度だけパパに連絡してみる!」

「これ以上言ったら、鞠莉が理事長を辞めるように言われる・・・。受け入れるしかない・・・。学校は・・・、なくなる・・・。」




そして、後日、浦の星女学院の廃校が全生徒に知れ渡りました。
千歌は、すっかり元気を失ってしまいました。周りには、無理して元気に振舞っていますが。
それからしばらくして練習。3年生や1年生は、ラブライブの決勝に向けて、気持ちを切り替えようと呼びかけ、千歌も決勝に集中しようと練習に取り組みます。
しかし・・・、

「千歌ちゃん・・・。」


「千歌・・・。」


「どうしたの・・・? みんな・・・?」



「今日は、やめておこうか・・・。」

「え? 何で? 平気だよ?」
「ごめんね。無理にでも前を向いた方がいいと思ったけど、やっぱり気持ちが追い付かないよね・・・。」



「そんな事ないよ! ほら、ルビィちゃんも言ってたじゃん? 鞠莉ちゃん達、最後のライブなんだよ?」

「それに、それに・・・。」
「千歌だけじゃない・・・。」
「え?」


「みんな、そうなの・・・。」
「ここにいる全員、そう簡単に割り切れると思っているんですの?」


「やっぱり、私はちゃんと考えた方がいいと思う・・・。本当にこのままラブライブの決勝に出るのか・・・。それとも・・・。」




「そうですわね・・・。」
「ま、待ってよ・・・。そんなの出るに決まってるよ! 決勝だよ! ダイヤさん達の!」



「本当にそう思ってる? 自分の心に聞いてみて・・・。千歌っちだけじゃない・・・。ここにいるみんな・・・。」



























「おはよ。」
「おはよう。」


「やっぱり、みんな、ここに来たね。」

「結局、みんな同じ気持ちって事でしょ?」
「出た方がいいって言うのは分かる・・・。」
「でも、学校は救えなかった・・・。」
「なのに、決勝に出て歌って・・・、」
「たとえ、それで優勝したって・・・。」


「確かにそうですわね。」
「でも、千歌達は、学校を救うために、スクールアイドルを始めた訳じゃない。」

「輝きを探すため・・・。」
「みんなそれぞれ、自分達だけの輝きを見つけるため・・・。」


「でも・・・。」
「見つからない・・・。だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ・・・?」

「奇跡を起こして、学校を救って、だから輝けたんだ・・・。輝きを見つけられたんだ・・・。」

「学校が救えなかったのに・・・、輝きが見つかるなんて思えない!」


「私ね、今はラブライブなんてどうでもよくなってる・・・。私達の輝きなんてどうでもいい・・・。学校を救いたい! みんなと一緒に頑張ってきたここを・・・。」


「じゃあ救ってよ!」



「だったら救って! ラブライブに出て・・・、」
『優勝して!』


「みんな・・・。」
「できるならそうしたい! みんなと、もっともっとあがいて!」

「そして!」
「そして?」
「そして、学校を存続させられたら・・・。」




「それだけが学校を救うって事?」

「私達、みんなに聞いたよ! 千歌達にどうしてほしいか、どうなったら嬉しいか。」
「みんな一緒だった。ラブライブで優勝してほしい! 千歌達のためだけじゃない・・・。私達のために・・・。学校のために・・・。」
「この学校の名前を、残してきてほしい!」

「学校の・・・。」
「千歌達しかいないの! 千歌達にしかできないの!」



「浦の星女学院。スクールアイドル・Aqours! その名前をラブライブの歴史に、あの舞台に、永遠に残してほしい!」


「Aqoursとともに、浦の星女学院の名前を!」

『だから! だから! だから! 輝いて!』



「優勝して、学校の名前を・・・。」
「ラブライブに・・・。」



「千歌ちゃん。」
『や、め、る?』


「やめる訳ないじゃん・・・。決まってんじゃん・・・。決まってんじゃん! 決まってんじゃん!」

「優勝する! ぶっちぎりで優勝する! 相手なんか関係ない! アキバドームも決勝も関係ない!」

「優勝する! 優勝して、この学校の名前を、一生消えない思い出を作ろう!」





「ついに、普通じゃない、本当の怪獣になっちゃうのかも・・・。千歌ちゃんは・・・。」




ま、元から、普通じゃないと思ってますけどね。という事で、「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第7話でした。
前話で何日もかかってようやくできるようになった大技がラブライブ地区予選でも成功し、決勝に進出できましたが、廃校は阻止できず。
それも、あと2人足らずでしたからね・・・。しかも、夜の8時から翌朝5時までの夜間9時間の中に18人もの入学希望者数がいたのは驚くところで、地区予選でのパフォーマンスが大いに評価された事がうかがえるでしょう。もし、あと1日でも、いや、半日でも募集期限を延ばせれば、入学希望者数100人は達成できていたように思います。
だけど、募集期限延長はできず、学校は廃校に。あれだけ頑張った事が結果に直結しなかったとなると、「神様は、この子達に何の恨みがあるんだ・・・」と思いたくなりますね・・・。
しかし、もし100人以上集められたとしても、「じゃあ、来年は?」となるでしょう。来年の夏時点で学校説明会の参加希望者数が少なければ、説明会をやる意味は薄いと判断され、説明会は中止になり、生徒募集はやめるかもしれません。(廃校を免れた事を考えれば、それなりの希望者数は集められそうですが)
一定時期までに一定の入学希望者数がいれば学校は存続するという話になったとし、それで存続できたとしても、「2年後は? 3年後は? 5年、10年後も安定した入学者数を確保できるの?」という話になるでしょう。目先の1年だけではありません。何年も先の長い目で物事を見る事が経営者には必要です。
今が上手くいっていたとしても、5年、10年後には経営が上手くいっている見込みがないと判断すれば、早い段階で経営を打ち切る。そういう非情な判断が求められます。
あと2人で入学希望者数100人になるから、もう少しだけ募集期限終了は先延ばしにしてほしいと、一時の感情に流されるようでは、経営者の質を疑われるもの。鞠莉の父の判断は真っ当だと思いますし、募集期限終了を延長しただけでも温情とも思っています。
それに、今回の98人というのは、あくまで入学「希望」者数であって、入学者数ではありません。98人全員が入学確定という事ではないのです。
浦の星女学院は「高等学校」。となれば、入学試験が設けられており、それに合格しなければ入学できません。
また、受験シーズンまではまだ日があります。その時までに他に入学したい高校が見つかれば、浦の星への入学希望をとりやめる事だってあるでしょう。入学試験に臨む人が98人を下回る事は十分ありえます。
さらに言えば、入学者が、半分の50人未満だったという事もありうるでしょう。これだと、募集期限を先延ばしにした意味が薄いように思われ、そんな状態が今後も続くようでは経営赤字が膨らむ一方。それだったら、早めに入学募集を打ち切るのが妥当のように思います。生徒達の想いを無下にする事にはなりますが。
千歌達の努力も空しく、学校は廃校となり、輝く事はできないと感じた千歌ですが、ラブライブ決勝で優勝して学校の名前を残してほしいと、生徒達が励ましてくれました。今や、Aqoursは千歌達9人ではなく、浦の星女学院の全生徒達の想いも乗ったチームのように感じられたのが良いですね。
千歌達の力になりたい。夏の地区予選直前からクラスメイト達が思っていた事であり、たとえステージ上では歌えなくても、可能な限り近くで応援して、千歌達と想いを1つにしたり、予備予選と学校説明会の両方出場を可能にしたりもしていました。
そして、今話では、輝く事の意味を失った千歌に再び、輝く事の意味を与える事に。Aqoursを支えたい気持ちは今も変わっていないところが素晴らしいですよね。
ステージでライブをするのは9人でも、生徒達の想いがなければ、ここまで千歌達がスクールアイドルに必死になる事もなかったでしょう。浦の星女学院の生徒達は、Aqoursの10人目のメンバーと言っても過言ではないように思います。
生徒数が少ない分、地区予選の結果反映には不利ではあったものの、スクールアイドルとの一体感は、他の学校に負けないくらいのものだったでしょう。そこに在籍する生徒からすれば、この学校が良いところだとか、良い子ばかりだとか、朝日に向かって叫びたくもなるのも納得ですね。
さて、次回は、函館に行く話。
函館といえば、Saint Snowの2人が通っている高校がある場所。Aqoursのメンバーが、Saint Snowのラブライブ地区予選を直に見に行くという話になります。
そして、私にとっての2期神回に繋がっていく事にも。次回は、その準備みたいなものですが、次回も感動要素はあり、見応えのある話だと思っています。次回感想も、掲載画像数が結構多くなりそうですね。
今話の感想は、これで以上です。この記事へのコメント、トラックバックは、こちらにお願いします。