武藤修のキャラコレ日記

私が描いたイラストや写真他諸々のこと書いています。

ダ・ヴィンチ展行ってきました。(遅っ

2007-07-15 11:28:36 | イベント
これも6月の話なのでか~~~~なり以前になりますが、当日仕事の締め切りも早めに終えたので、急きょ行ってきました。
混むのがいやなので朝一で。


上野駅構内でチケットを買い会場まで行くと開場10分前というのにもう行列が・・・。
かわいそうなのはチケット持っていない人はチケット売り場に並んでいて、入場するための列には並べないと言う事。
早く来てるんだからチケット売り場くらい早くはじめればいいのに・・・・と思いつつ、チケットは駅で購入したので横目で観ながら行列に並びました。(笑)
まずはメインの受胎告知を観に行きましたが、私も前に150人くらいはいたかな、で、持ち物検査と金属探知器通過したいといけないようで、見事に引っかかり、小型の探知機で調べられましたが、デジカメが引っかかった模様。
いろんな人から聞いていたので、まずは奥の通路で20分以上ガン観。
一番手前では止まれなかったのでゆっくり歩きつつ通り過ぎましたが、さすがに朝一だったのでゆっくり観ることが出来ました。
でも一度前で観て見終わると、戻れないんだねー、もう一度戻ってみたかったんだけど。(笑)
第二会場では書物などに残されている物を具現化したり、考え方の解説等色々あってこっちも面白かったですが、現物がほとんど無いのが残念でした。

受胎告知の解説もここでは流れていて、右腕のデッサンの狂いなど3DCGまで使って解説してくれて、よく解ります。
で、疑問が。
受胎告知のマリアの右腕のデッサンがおかしく、後世の人の解釈でこれは右斜め下から観ることを計算してのこの様に描いたと言われているようです、が!!、それ本当?
1793年まではサン・バルトロメオ修道院の食堂に飾られていたという事だが、描いて300年以上そこにあったのだろうか?
いや、全くその辺無知なのだけど、ダ・ヴィンチ展での解説でも右下から観るという条件下の所に飾られていたはずという感じで、当初どこに飾られていたかはっきり言ってなかったと思う。(おもいっきり多分ですが、しかも自分で調べてないし(笑))
ダ・ヴィンチはその後そうした作品を幾つか残しているので、可能性はなくはないのですが、画力と言う点ではまだ20歳頃の作品と言うこともあり、絵筆のタッチや全体のバランスなど未熟な点も多く、1点透視図法もまだ未完成の部分がある時期の様な気がしてなりません。工房という性質上1人で描き上げていない可能性が高いのでばらつきは多少あるとは思うけど、この絵に関してはかなりの部分ダ・ヴィンチが制作していると言うことなので、やはりまだ考え方や技術が未熟なんだと解釈すると、デッサンの狂いは技術的なものが要因なのではと疑いたくなるんですよねー。

ルネッサンス時代、透視図法を完成させたのってダ・ヴィンチだっけ?
よく知りませんが、一番使いこなしていたのはダ・ヴィンチでしょうし、晩年までの作品や理論など造形に関する探求心は想像を絶するくらいすごい物があります。(特に数十体の死体の解剖なんか探求心あってもそうできる人はいないでしょう)
デッサンがおかしいという受胎告知のマリアに戻りますが、実はこのマリアだけを切り抜いて観ると、そんなにデッサンがおかしいとは感じさせないと思います。
右手は本の部分をめくっているのですが、この本の台と台座の位置がパースの奥行き部分で考えると手前に出過ぎているので肩から肘にかけてが長くないとこの様なポーズにはならないと言うことになるんです。
はい、パースの奥行き部分がずれているので、おかしいんですね。
見た目はまともだけど理屈で考えるとおかしいという騙し絵みたいな感じです。
技術の未熟さ(いえ、20歳の頃でもものすごく素晴らしいのですが、モナ・リザなどに比べるとです)、透視図法がまだ不完全の時代(ではないかと勝手に思ってるだけです)これらを総合するとやはり単純にミスのような気がします。
右斜め下から観ても奥行き部分のパースのズレは直りませんし、もしそうなら一部だけではなく絵全体をゆがませて描くでしょう。

と言ってもダ・ヴィンチのすばらしさ、思考の深さにかわりがあるわけではなく、今回見に行って本当によかったと思います。
この様な展示会で気になることはいつも同じで、描いた本人が言ったこと、書いた文章、信用できる伝聞なのか、状況証拠はあり真実に近い事柄なのか、また、後世の人が推測した物が一人歩きした物かがわかりにくいと言うことです。
自分も絵を描きますが、もし知らないところで、この絵はどうのこうのと尾ひれが付いて説明されていたらどうだろうと思うと、ありがた迷惑でしかない。
絵描きだって居眠りして描いてしまい失敗したり、めんどくせーと思いつつ描いていたり、なんにも考えずに描いていたりと1枚の絵だっていろんな想いの中描いているし、理屈ではない部分って結構あったりします。
比べるのもおもいっきりおこがましいですが、ダ・ヴィンチにもそんな人間くさい部分があって欲しいし、そんな部分がかいま見える受胎告知である方が個人的には好きです。(笑)

イラストレーター 武藤 修

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2 コメント

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Unknown ()
2007-07-25 09:25:02
私の地元では、ルネサンス時代からのヴェネツィア絵画展が開かれたので、見に行って来ました。

建物がどれも微妙に歪んで描かれている絵があったので、学芸員の方に質問したところ、正確さより早描きが売りの画家ということでした。それも、画家の個性? 確かに歪み方が印象的でした。(^o^;)
その美術館の年間パスポート持っているので、何度でも観覧出来るんですよ。また、見に行きまーす。
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Unknown (ムトウ)
2007-07-31 23:45:50
柊さんへ
失礼!!
書き込み気が付かなかった。
なるほど、絵は確かにデッサンが全てではないのでゆがみも独特な物なら個性に繋がるだろうね。

私は今描いている絵本の背景も意識的にパースを狂わせて、逆に遠近感や存在感出すように工夫しています。(ようやく下描きという段階ですが)
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