あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書
(アーネ リンド・クウィスト 、ヤン・ウェステル著、 川上 邦夫訳:新評論)
〈スウェーデンの中学2年生が社会とは何かを学ぶための教科書。法律的権利と義務、消費者としての基礎知識、コミューンの行政と住民の役割、社会保障制度を豊富で生き生きとしたエピソードで平明に解説〉とデータベースで紹介されている本、友だちのKさんに紹介してもらいました。
子どもを社会を構成する一員として尊重し、社会の様々な仕組みや出来事・人間の弱さ等を伝え、一人であるいは集団で考えを深めていくことのできる構成に「すごいな」と率直に思いました。子どもがつまづき悩んだりするときのために、フォローする体制(相談室の電話番号)が掲載されていることも、一人一人を大切にしている証だなと思いました。スウェーデンという国のありようの一端を知ることもできるし、大人が読んでも(大人こそ読むべき)とても刺激を受ける内容をもっています。
ちょうど中学2年生の娘がいます。クラブに勉強に忙しくしている彼女、友だち関係でぎくしゃくして悩んだり怒ったりすることも多いです。家族の変化(おじいちゃん・おばあちゃんの入院や姉の進学)や自分の進路などから社会的な関心事も広がり、彼女なりの感性をもって見つめている姿も時々見られるようになったかなと思います。そういった彼女の育ちをさらに進めるのは社会(大人)の役割・責任であるし、どの子どもにとってもきちんとした教育が保障されるべきだと強く思います。
最近、教科書選択をめぐって、きな臭い流れを一層推し進めるかのようなものが広まってきています。教員の意見を尊重し保護者・住民の意見をきちんとふまえること、未来を担う子どもたちのことを何より大切に考える方向となるよう、力を尽くさないといけないと改めて思いました。
みなさんにおすすめの一冊です。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4794802919
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