昨年発売された「ぼくらの民主主義なんだぜ」の続編、朝日新聞の論壇時評で書かれたものとその他雑誌などで発表された文章に加筆・修正されたものがまとめられています。
前作に続けて、たくさんのメッセージが読者に投げかけられていました。
中でも僕が印象に残ったのは、「オバマさんのことば」。昨年、5月ヒロシマを訪れた際のオバマ演説を聞いてひっかりを感じた高橋さんが、演説の中で使われた「私」という言葉の回数を数えた(私たち…75個、私…4個)ところから内容に関する分析をおこなったところ(「私(オバマ氏)は思う」と触れられたのはたった1か所だけ)。政治で使われる「私たち」は、抽象的な囁きで「私」を見失わせていくという指摘はとても考えさせられました。「私たち」といった瞬間にそこに入らないと感じる人たちをつくり、また無意識の内に作り分けてしまう面があることは、社会運動においてもきちんと考えておかないといけないですね。
障害者運動は、権利条約の策定過程で使われた「Nothing About Us Without Us」(私たちぬきに私たちのことを決めないで)ということをこの間の運動のスローガンにしてきましたが、そのことの意味を深く考えたいと思いました。
「オバマさんのことば」と対比する形で、本では「美智子妃のことば」が取り上げられています。ほとんど触れたことのなかった僕としては、その内容もとても印象的でした。
ぜひたくさんの人に読んでほしい一冊です。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4022736941
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