事務局長通信

国際社会から見た日本の表現の自由とメディアと「共謀罪」‐国連特別報告者・調査報告を踏まえて‐

6月10日(土)午後、大阪弁護士会主催〈国際社会から見た日本の表現の自由とメディアと「共謀罪」‐国連特別報告者・調査報告を踏まえて‐〉に参加してきました。

講師は藤田早苗さん。イギリス在住で「エセックス大学」人権センターフェローで、専門が国際人権法。特定秘密保護法を英訳して国連に通報したり、今時の人である。国連特別報告者であるデビット・ケイ氏の日本調査のために尽力し、国内外で日本の表現と情報の自由にまつわる諸問題について問題提起を続けている方です。初めてお話を聞きました。

「国連特別報告者」がどういう存在であるかは、デビット・ケイ氏やジョセフ・カナタチ氏(マスコミでは、「ケナタッチ」氏と紹介されているが間違いだそうです)の報告で世間に知られるようになりました。今の政権は政権に近いところには手厚く、自分に都合の悪い意見には耳を貸さずに感情的に対応する(カナタチ氏の報告が出された1時間後には、内容に関しての言及がない抗議文を書いて送った)ことは、加計学園等この間の一連のことではっきりしていますが、国際的にみてそれがとても恥ずかしいことであり、日本の評価を落としていることがとよくわかりました。

日本は各種国際人権条約を批准していますが、個人通報制度(人権侵害を受けた個人が、国内の終審判決に不服が残る場合、人権条約機関に直接訴えることができる制度。その当該条約の選択議定書を批准する必要があるが日本は批准していない)がないことや自由権規約委員会から、「日本は何度も勧告をしているがまったく改善しようとしない。これは資源の無駄遣いであり、国際社会に反抗しているようにも見える」と言われる始末です。第二次大戦の反省から人権擁護は国際的にも中心的な課題としてなって積み上げられてきていることを、まったく理解していないですね。国連人権委員会理事国を辞退した方がいいのではと思ってしまいました。

またメディアの本来の役割(市民の側に立って権力を監視する使命)がいかに重要かを問いながら、特別報告や共謀罪の内容にも触れながらそうなっていない日本の現状についても解明されました。(報道の自由度ランキングは72位、G7で最下位)。

学生たちと一緒にやっている「日本を外から学ぶ学習会」や「自由なラジオ」への出演・大学での講演会などの活動等を紹介しながら、広い視野でみること・多くの人に問題を伝えていくために様々な引き出しをもっておくことが重要との指摘は、自分の活動を振り返る機会になりました。自分で学ぶだけでなく、一緒に学び考えることが大事ですね。「今年中には憲法改正案をまとめる」と安倍首相が言っていることも含め、様々に学ぶ行動する機会をつくりたいと思いました。

サンデーモーニングのコメンテーターとしても有名な谷口真由美さんを彷彿させるような語り口、飽きさせない話しぶり(大阪・堺市出身なんだそうです)で2時間の講演が短く感じました。明後日には、ジュネーブに飛んでデビット・ケイ氏が報告する人権理事会にも参加されるそうです。今度、日本で来られた時にはまた話を聞いてみたいと思いました。いい講演会でした。



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