「障害は迷惑じゃない」
(井上吉郎、松本誠司、木全和巳共著;全障研出版部)
2人の障害当事者の生き様に迫りながら、この社会にとって何が大事かを問いかける本。意図していなった訳ですが、2016年7月26日未明に発生した神奈川県相模原市の障害者施設における大量殺傷事件の直後の出版となりました。
事件の3日後に、ブログに〈必要なのは、事件の真相を社会全体で共有すること。「他者感覚」「社会的想像力」(白波瀬佐和子)が今ほど大事な時代ではない。不寛容な時代の中でどのようにそのことを身につけたらいいのか、深い検討と粘り強い取り組みが必要〉と書きました。
この本のキーワードである「障害」「迷惑」「差別」、そして「連帯」「共感」を一つ一つつなげながら深めることで、何らかの方向性を見出せるのではないかとも思います。「一人一人が大切な存在」、そのことを本当に考えさせてくれる本です。障害児者に関わる関係者のみならず、福祉で働く人たちや多くの市民の方にも読んでほしいと思います。
一押しでお勧めです。
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